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カテゴリー「音楽>メーカー>Gröber」の6件の記事

2018年7月20日 (金)

ショパン『ノクターン第2番 op.9-2』を、ウィーン式アクション1820年製グレーバーで

2018年7月18日に行った『古典鍵盤楽器 徒然草 七』のアンコールで弾いた、ショパン(1810-1849)のノクターン第2番 op.9-2 です。op.9 の「3つのノクターン」の出版は1832年末のこと、カミーユ・プレイエル夫人に献呈されています。

19世紀ドイツ語圏で発行されていた雑誌『Allgemeine musikalische Zeitung (General music newspaper)』に、19世紀初頭のショパンが生まれたころのワルシャワに関する記事があり、<教育熱心なほとんど全ての家庭にはウィーン、ドレスデン、ベルリンそしてブレツラフ産のグランドピアノがあり、非常に達者に弾ける者も少なからず居る>というレポートが掲載されています。ショパンは1810年にワルシャワ近郊で生まれて1828年秋にベルリンに旅行(演奏旅行ではなかった)するまで、ポーランド以外を全く知りませんでした。そして、ワルシャワを発ったのが1830年11月2日、ウィーンを経てパリに1831年9月末に到着。パリで亡くなったのが1849年10月17日。1829年に大成功を収めたウィーンでの演奏会ではグラーフのピアノを選び、パリに赴いてからもグラーフのピアノは好んでいた、という資料も残っています。

対して、初代プレイエルのイグナーツは1757年生まれ。ハイドン周辺で音楽を学び、全くの未経験からピアノ製造に手を染めたのは1805年のこと、現存最古のプレイエルピアノは1807年製、息子のカミーユに経営権を委譲したのが1813年。その後1829年にイグナーツの健康状態の悪化を機にカミーユがカルクブレンナーとともにPleyel & Co.を設立、ようやく1830年1月1日にプレイエル親子自身のサロンのこけら落としとしてプレイエルピアノを用いた演奏会を開いています。

これだけの史実からでも『ショパン=プレイエル』とまとめてしまうのがあまりにも皮相的に過ぎることに気づかれるかと思います。ここで使っているグレーバーピアノは1820年ごろのオリジナル楽器で6オクターヴウィーン式。グラーフのピアノもウィーン式であり、実はショパンの音楽的源泉を考える上で欠くべからざる楽器の一種でもありま〜す (`・ω・´)シャキーン

2018年1月31日 (水)

シューベルトの誕生日に寄せて&11月16日/シューベルト即興曲をオリジナルフォルテピアノで、ライヴ動画

本日(1/31)は、シューベルト(1797-1828)の誕生日ですよ〜。
昨年11月16日に行った<シューベルト『即興曲集』をオリジナルフォルテピアノで>のライヴ録画、アンコールで弾いた、非常に有名な楽興の時D780第3番ヘ短調、をどうぞ!

シューベルトの音楽は美しく繊細な姿の裏に凄惨さを兼ね備えておりまして、シューベルトと同じ時代のオリジナルフォルテピアノもまた、現代の「商品として綺麗にまとめざるを得ない楽器」とは全く異なる幅広く奥深い存在。

シューベルトが生きていた1820年ごろのウィーン式フォルテピアノを、1927年に完成した重要文化財の建物の一室で・・・という、コンサートホールでは絶っ対に体験できぬ雰囲気が少しでも伝わったら嬉しいです。

2016年10月30日 (日)

サティ『グノシエンヌ第6番』を、1820年代のウィーン式フォルテピアノで!

Soundcloud 紹介第2弾は、ちょいとキテレツなネタです。

サティは1866年生まれですから、現代ピアノの時代の作曲家。その『グノシエンヌ第6番』を、音域6オクターヴの1820年代のウィーン式アクションのフォルテピアノで弾いています。いわゆる「オリジナル」ということを厳密に語るとほぼ暴挙に近いですが・・・「楽器の響き方の性格」を考えると、現代のピアノで弾くよりもよほど「味」が生まれるのは必定。

気がついてしまったのが運の尽きwで、やってみないワケには行かなくなってしまいましてネ。グノシエンヌの中でもサティらしさが際立っているこの「第6番」の雰囲気が、より独特になってくれました(・o・ゞ

サティ(1866-1925)『グノシエンヌ第6番』
2016.2.16. 池袋、自由学園明日館 ラウンジホール
 1820年製 グレーバー ウィーン式フォルテピアノ:筒井 一貴

2016年2月21日 (日)

サティ/グノシエンヌ第6番をウィーン式6オクターヴフォルテピアノで

今年はサティ(1866ー1925)生誕150年。
6月5日高崎にて、サティ存命当時1905年製のプレイエルピアノでオールサティ演奏会を行います。さぁ今すぐスケジュールにチェック!

つい先日2月16日の『古典鍵盤楽器 徒然草 伍』でアンコールで弾いた、グノシエンヌ第6番の動画をどうぞ!

ここで使っているピアノは1820年代のウィーンの楽器ですから、サティとは国も場所も遠く遠〜く離れています。ぶっちゃけ、現代の演奏のほとんどが作曲家が生きていた時代と遠く遠〜く離れた現代楽器での演奏ですから、その逆があっても別に不思議はあんめぇ・・・と ( ̄ー ̄)

まぁ昔々のピアノと100年ちょい昔のピアノとに共通点が全くナイわけではなく・・・「きわめて良く響くように作られた木の箱に弦を張ってそれを叩いて音を出す」という実にざっっっくりした共通点はございます。この「きわめて良く響く木の箱」でかもし出される響き、えも言われぬ柔らかさそして温かさに満ちておりまして、いろんな使い方をしないのも実にもったいないおハナシ。狭量な古楽器オリジナル原理主義は自ら可能性そして多様性を放棄しているワケで、それはそれで良きコトなのかも知れません。

演奏会においでくださった「pic kumasan」がブログに詳細にレポートしてくださいましたが・・・<もしかしたら江戸川乱歩のドラマに使われそうな世界です>そして<最後のアンコールはサティの曲でした、本当にサスペンスドラマみたいでした>という雰囲気w、どうぞお楽しみくださいませ〜(・o・ゞ

2016.2.16. 池袋、重要文化財:自由学園明日館 ラウンジホール
 1820年代オリジナル6オクターヴフォルテピアノ(グレーバー製):筒井 一貴

2016年1月 7日 (木)

2月16日/古典鍵盤楽器 徒然草 伍 〜ウィーン周辺の音楽さまざま〜@池袋、自由学園明日館ラウンジホール

2016年2月16日(火)19時開演(18時半開場)
池袋、自由学園明日館  ラウンジホール(豊島区西池袋2-31-3)
3500円(当日精算/高校生以下1500円/50名)Tsutsui_groberblog
使用楽器:
 Johann Georg Gröber 作(1820年オリジナル)
    ウィーン式6オクターヴ フォルテピアノ

主催 目白古楽ネットワーク(梅岡)
共催 自由学園明日館
申し込み
 umeoka-gakki@nifty.com(梅岡)
 bergheil69@me.com(筒井)

東日本大震災復興支援コンサート with 明日館
古典鍵盤楽器 徒然草 伍
〜ウィーン周辺の音楽さまざま〜

1820年周辺のウィーン式のフォルテピアノは「美しい」の一言です
ベートーヴェン最晩年のユーモアにあふれた小品:バガテル集
チェルニーがモーツァルトのメロディーで綴った素敵な花束:幻想曲
「レリーク」として知られるシューベルトの明るくも深く沈潜する未完の大ソナタ
「美しさ」のさまざまな姿をこの時代のオリジナルフォルテピアノの音色で
フランク・ロイド・ライトによる重要文化財建築の美しさとともに!

<プログラム>
 ベートーヴェン (1771-1827) 6つのバガテル op.126 (1823-24)
 チェルニー (1791-1857)
    『フィガロの結婚』のモティーフによる幻想曲  op.493 (1842?)
 シューベルト (1797-1828) ピアノソナタ ハ長調  D840(未完)(1825)

東日本大震災復興支援コンサート with 明日館HP
http://concerts.clavichord.jp/fortepiano/Message.html
※コンサートの収益から義捐金を寄付いたします

2015年8月 4日 (火)

9月15日/古典鍵盤楽器 徒然草 四 〜ショパンに続く道程〜

ショパンと言えばプレイエルピアノ・・・というのは今ではかなり有名になりましたが、ショパンはプレイエルピアノがないところで育っていることに気づいている人は極めて少ないです。この演奏会では『プレイエル以前のショパン』に焦点を当てます。

2015年9月15日(火)19時開演(18時半開場)
古典鍵盤楽器 徒然草 四 ~ショパンに続く道程~
 池袋、自由学園明日館 Room1925(重要文化財)
<使用楽器>
Johann Georg Gröber 製作(1820年オリジナル
 ウィーン式6オクターヴ フォルテピアノ

入場料:3000円(収益の一部を東日本大震災復興義捐金といたします)
お問い合わせ/お申し込みbergheil69@me.com

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ショパンという、当時においても別格な特異点的な存在が生まれた1800年代初頭のポーランドには、それこそどこでもウィーン式のピアノが存在していました。まさにその時代のオリジナルのフォルテピアノを使って、若きショパンが親しんでいた作曲家の作品を前半に、後半にはショパンのワルシャワ時代のポロネーズ(遺作)とパリに居を構えて間もなくのマズルカを据えました。

ショパンが特異点とは言っても、あくまでも伝統から生まれた存在。ショパンは1810年生まれ、その頃の音楽のあちらこちらにいわば「ショパンらしさ」があるのはむしろ当然で、それを1820年代のオリジナルフォルテピアノで体験できる機会には大きな意味があります。

加えて、初代プレイエル(Ignaz Pleyel)はウィーン出身の作曲家そしてピアノメーカーですから、ショパンの創造力の源泉として少年期に体験していたウィーン式フォルテピアノが重要な役割を果たしていたこと、もっともっと重要視されるべきと思います。

・・・論より証拠、まずは体験するところからお楽しみください!
会場は、旧帝国ホテルの設計などで有名な建築家:フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)の設計による、重要文化財:自由学園明日館(みょうにちかん)です。池袋駅からものの6〜7分という至便な場所でありながらこのようにタイムスリップできる場所はそうそうございません。

<プログラム>
フィールド (1782-1837)
 ノクターン ヘ長調 H.40(第6番)
カルクブレンナー (1785-1849)
 『お手をどうぞ』による幻想曲 op.33
フィールド (1782-1837)
 ノクターン イ長調 H.36(第4番)
フムメル (1778-1837)
 ポロネーズ『気まぐれな麗人』変ロ長調 op.55
オギニスキ (1765-1833)
  ポロネーズ『さらば祖国よ』イ短調
ショパン (1810-1849)
  ポロネーズ(遺作)変イ長調 B.5 / KK IVa-2 / WN3
  ポロネーズ(遺作)変ロ短調 B.13 / KK IVa-5 / WN10
  ポロネーズ(遺作 op.71-2)変ロ長調 B.24 / WN15
  4つのマズルカ op.7

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