ヒンデミット『フルートソナタ』から第1楽章を、20世紀初頭の木製フルートとベーゼンドルファーで(フルート:石井孝治)
ヒンデミット(1895-1963)の『フルートソナタ』から第1楽章を、石井孝治さんの20世紀初頭のハンミッヒによる銘器と1894年製ウィーン式ベーゼンドルファーとで合わせました。我ながら、よもやヒンデミットをこのベーゼンドルファーで弾く日が来るとは想像だにしませんでしたが、なんともイイ感じの合奏ができたと思います。
ヒンデミットのフルートソナタは1936年の作曲。この年にナチスによって公式にヒンデミット作品の演奏が禁止されるなど弾圧が強まり始めていたタイミングですが、このような外的要因が作品にどの程度影響したかは本人が明白な意図を持っていると表明した場合以外に邪推するのは全く無意味ですね。政治的な要因にしても、楽器の限界的な要因にしても、音楽語法の好み的な要因にしても、一言で「要因」として片付けるにはあまりにも複雑にからみ合っていますからね〜。
石井孝治さんのハンミッヒ製木管フルートは、フランスのベーム式ではありますがまさにヒンデミットがドイツで活動していた時代のドイツの楽器。楽器に寄り添うように偏りなくす〜っと鳴らせるのが石井さんの真骨頂で、ウチの1894年製(ヒンデミットの1歳年上ですネ)ベーゼンドルファーとの合奏がなんとも心地良くて (*´-`)
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