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カテゴリー「音楽>メーカー>Chicago Cottage Organ」の5件の記事

2024年3月26日 (火)

Caleb Simper(1856-1942)「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」第2巻から第9曲『Adagio』を、1893年ごろシカゴコテージオルガン社の豪華棚付きリードオルガンで

才気堂、渡邉祐治さんからの足踏みオルガンがピアピットに展示ちぅですぞ(*´-`)

イギリスのオルガニストそして作曲家のカレブ・シンパー/Caleb Simper(1856-1942)の「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」シリーズの第2巻から、第9曲『Adagio』を、ボストン近郊の Bridgewater で1930年代始めまで頑張っていたパッカード社1905年製の大型棚つきリードオルガンで弾きました。このベル社のリードオルガンは長い(=低い)16フィートのストップが低音側だけでなく全音域にわたって使えるのが特徴ですが、この動画では単純に8フィート1本に甘い揺れが入る「VOX HUMANA」をかけてみました。「VOX HUMANA」は要は「human voice」でして、扇風機に向かって声を出すと細かく強弱がついてあたかも人の声のような表情っぽくなるという、いかにもアナログな音質変換装置です。コレ、音程はほぼ変わらないのでヴィブラートではないのですが、厳密なコト指摘しても仕方ないのかなぁとかなんとか😅

カレブ・シンパーは普通の愛好家にとって親しみやすく平易な作品を数多く作曲しており、それこそ何万冊の単位でむちゃくちゃに「売れて」いたんですね〜。この「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」シリーズだけでも12冊出版されておりまして、実はこのうちオマケが入っているものが5冊もあるという、まぁ似たような雰囲気の曲も少なくはないにしても、多作家ってぇヤツはホントにスゴいんだなぁと。

・お問合せ→リードオルガン修復:才気堂、渡邉祐治
https://pianoreedorgan.jimdofree.com/

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html



このベル社のリードオルガンは1900年前後に北米で隆盛を極めていた豪華棚付きリードオルガンの生き残り。小学校低学年の授業で使われていた程度の楽器、というリードオルガンのイメージとは全く異なる堂々たる楽器です。管楽器や歌唱のイメージは「レガート」という表現に取り組む上で必要不可欠。リードオルガンは管楽器かつ持続音を得意とする楽器で、しかも空気を足踏みペダルで送るのですから工夫次第で強弱表現が可能、というかなり楽しい楽器です。素直で温かくしかも演奏者の悪知恵w次第で管楽器としての多種多彩な表現ができる魅力は、一部の世界だけに留めさせるにはあまりにも惜しい世界です。

2023年8月20日 (日)

フラヴェル「The Vesper Voluntaries, Book 25」から、第5曲『Alla breve』を、1893年頃 Chicago Cottage Organ 製大型リードオルガンで

1900年前後の欧米では足踏み送風式オルガンのための曲集がそれこそ星の数ほどシリーズとして出版されておりました。そのうちの一つ「The Vesper Voluntaries for the Organ, Harmonium, or American Organ」シリーズの Book 25 の作曲は Edwin Mark Flavell (c.1860-c.1919) なる人物で、ロンドンのテムズ川沿いのワンズワース(Wandsworth)でピアニストそして指揮者として活躍しており、手鍵盤のみのオルガン曲集をいくつか出版しています。

この足踏みオルガンは、シカゴ・コテージ・オルガン社が1893年ごろに作った大型棚つきリードオルガンです。この手の大型棚つきリードオルガンは100年ちょい昔の北米にはごくごく普通にあった楽器です。見た目はパイプオルガンに匹敵するくらいに派手ですが、実は普通の箱型のリードオルガンの上に豪華な装飾棚(しかも意外と軽いw)を載せているだけなので、構造や機能自体は普通のリードオルガンとおおむね一緒と考えて差し支えないのでした。見た目で身構える必要は全〜然ないんですよ〜(・o・ゞ

・リードオルガン修復:渡邉祐治
https://pianoreedorgan.jimdofree.com/

2023年1月16日 (月)

ヘンデルのオペラ『セルセ』から『ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)』を、1893年ごろシカゴコテージオルガン社の豪華棚付きリードオルガンで

1893年頃の CHICAGO COTTAGE ORGAN社による大型リードオルガンで、おなじみのヘンデルのオペラ『セルセ』から『ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)』を弾きました。例によっての 渡邉祐治 さんからの足踏みオルガンが ピアピット に登場です。

北米はリードオルガンの本場、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのアップライトピアノが家庭を席巻する前の時代には、それこそ星の数ほどのメーカーがこのような豪華な棚つき大型リードオルガンをこぞって作っており、柔らかで温かくそして大らかな音色の世界が普通の家庭の中に豊かに広がっておりました。Chicago Cottage Organ社は、1800年後半から1900年初めまでリードオルガンを大量に作っていた大手メーカーです。開拓者精神にあふれていた当時のアメリカを彷彿とさせる世界をどうぞ〜!

・お問合せ→リードオルガン修復:才気堂、渡邉祐治
https://pianoreedorgan.jimdofree.com/

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

2021年10月 3日 (日)

Chicago Cottage Organ 社1893年製リードオルガンと1894年ベーゼンドルファー製ウィーンアクションのピアノで、Charles Mayer(1799-1862) 作曲『Jugendblüten/うるはしき青春時代, op.121』から第3曲「酒場の唄」

Adobe Premiere Pro 導入の第1号、2019年12月に録ってアップ用に仕上げたのに忘れていたwリードオルガン動画です。色合いがイマイチだったのでついでにサクッと怪良〜♪

シカゴ・コテージ・オルガン社が1893年ごろに作った大型棚つきリードオルガンで、フレデリック・アーチャーの『アメリカンリードオルガン教本』(1889年)の第2巻から、第56番、C.Mayer作曲という表記の『Festlied』を弾きました。この第2巻には小品が70曲おさめられており、なかなか感じ良くリードオルガン用に編集されているんですよ〜。

さてこの手の曲集には必ず編曲の手が加えられておりまして、オリジナルを探し当てるのはな〜かなか根性(と偶然w)が必要です。作曲家はCharles Mayer(1799-1862) で合っていましたが、果たして絶妙に曲名が変えられており、原曲は24曲からなるピアノ小品集『Jugendblüten, op.121』から第3曲「Trinklied」でした。

この小品集の名称『Jugendblüten』は出版譜の英訳ではナンのヒネりもなく『Album for the Young』とされていましたが、ちょっと待てよと。それならシューマンの「Jugendalbum/子供のためのアルバム」と同じなワケで、いくら150年前の独逸であっても「Trinklied」という「酒場で歌われる歌」が子供のための曲集に入っているのはいかがなモンかw・・・てなワケでリサーチ怪始。Blüteの語感を識者に問うと「結実する前、花盛り」とのこと。こりゃ〜絶っ対に「the Young」でも「子ども」でもないなと。しかるに拙訳は『Jugendblüten/うるはしき青春時代, op.121』から第3曲「酒場の唄」とでも致しましょうぞ。



この手の大型棚つきリードオルガンは100年ちょい昔の北米にはごくごく普通にあった楽器です。見た目はパイプオルガンに匹敵するくらいに派手ですが、実は普通の箱型のリードオルガンの上に豪華な装飾棚(しかも意外と軽いw)を載せているだけなので、構造や機能自体は普通のリードオルガンと一緒と考えて差し支えないのでした。見た目で身構える必要は全〜然ないんですよ〜(・o・ゞ

・リードオルガン修復:渡邉祐治
https://pianoreedorgan.jimdofree.com/

原曲のピアノ曲も弾きました。いつもの1894年ベーゼンドルファー製ウィーンアクションのピアノです。

2019年12月11日 (水)

Chicago Cottage Organ 社1893年製リードオルガンで、J.L.Battmann(1818-1886) 作曲『6つのセットからなる72の小品集 op.60』から、第2セット第7曲を

現代の日本ではリードオルガンと言ってもなかなか通じませんが、足踏みオルガンと言えばそれなりの年齢の方々(失敬w)には学校で遊び半分でいじっていた記憶がおありかと思います。ですが、100年以上昔に北米で隆盛を極めていたこのタイプのリードオルガンの世界は全〜然全く違う世界だったんですよ〜〜〜〜。 この時代はアメリカン・ドリーム華やかなりし時代ですから、それはそれは壮大で華麗で複雑な世界でして(`・ω・´)

シカゴ・コテージ・オルガン社が1893年ごろに作った大型棚つきリードオルガンで、Jacques Louis Battmann(1818-1886) の「6つのセットからなる72の小品集 op.60」から、第2セットの第7曲を弾きました。この曲集は12曲を1セットとした6つのセットで構成されており、その結果12曲×6セット=72曲となっています。その第2セットの7曲めですから、12曲×1セット+7曲め=第19番という計算となりま〜す。

この手の大型棚つきリードオルガンは100年ちょい昔の北米にはごくごく普通にあった楽器です。見た目はパイプオルガンに匹敵するくらいに派手ですが、実は普通の箱型のリードオルガンの上に豪華な装飾棚(しかも意外と軽いw)を載せているだけなので、構造や機能自体は普通のリードオルガンと一緒と考えて差し支えないのでした。見た目で身構える必要は全〜然ないんですよ〜(・o・ゞ

Jacques Louis Battmann/ジャック・ルイ・バトマン(1818-1886)はフランスのオルガニストです。とてつもない多作家で作品番号は456に及び、それに加えて教則本や学校のための音楽までを作り倒してwいたとのこと。これほどまでに曲を作っていたら粗製濫造になってしまうのが当然と思いますが、弾いてみるとどれも小ぢんまりとまとまっていて悪くないのがこれまた恐るべし(どれも似た感じなのも確かですがw)。周辺にこのように分厚い中堅作曲家の層があってこそ、人類史上に燦然と輝く大作曲家を生み出せるのでしょうね。高くそびえる山のすそ野は広いのでありま〜す。

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