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カテゴリー「音楽>作曲家>Brahms」の4件の記事

2024年8月26日 (月)

戦前1938(昭和13)年製 YAMAHA 平臺3號(=No.3, 209cm)で、ブラームスの『ワルツ集, op.39』から第15番を

戦前1938(昭和13)年製、名品として名高く貴重な 日本樂器(現:YAMAHA)平臺3號(=No.3, 209cm)がいつものピアノ工房ピアピットに入庫、調律があまり乱れていなかったので修復前の状態を記録しておきました。曲はご存知ブラームスの『ワルツ集, op.39』から有名な第15番です。オリジナルでは象牙だった鍵盤が貼り替えられているなど、一度どこかでオーバーホールされた形跡はありますが、ものの30分ほどの音出しで戦前のベヒシュタインがごとき鳴りそして気品がよみがえってきてウナらされましたぞ😳

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

日本樂器(現:YAMAHA)は1921(大正10)年からベヒシュタインと提携、1926(大正15)年にベヒシュタインから技師シュレーゲルを招聘しており、1938(昭和13)年製のこの個体がベヒシュタイン系統の方向性であるのは必然と思います。昭和14年のYAMAHAのカタログに載っている平臺3號はこの個体と全く同じ6本脚、脚のつけ根の浮き彫りまで全く一緒ですので、特注品のセンは極めて薄いと思われます。なお、外装の飾り塗装は持ち主がおそらく戦後に地元の職人に依頼したもの、とのことでした😉

2020年7月28日 (火)

ブラームス『7つの幻想曲 op.116)』から第6曲を、1941年製ベーゼンドルファー200で

ブラームス(1833-1897)は最晩年の1892年にop.116〜119のピアノ小品集をまとめて書いていまして。その斬り込み隊長『7つの幻想曲 op.116』より第6曲「間奏曲/Intermezzo」を、1941年製ベーゼンドルファー200で弾きました。この楽器は故イェルク・デムス大先生が日本での稽古用として持ってきていた楽器とされており、元はサローネ・クリストフォリ成城、今はサローネ・フォンタナで一般の用に供されています。

この楽器、スタイル自体は戦前のベーゼンドルファー200でかつ響板にあるシリアル番号も1941年製を示しているのにペダルが3本・・・というところから、故デムス大先生がご自分の稽古用として3本ペダルに改造させたのではないかなぁと邪推しています(それ以前に改造されている可能性もモチロンございますがw)。本体の塗装と脚の塗装が動画で見ても明らかに異なるところも、改造されたことを示しているように思えます。それはさておき、故デムス大先生はいわゆる「目利き」の権化のような御方でさまざまな逸話がございますが、さすがはご自身がお使いになるための楽器、素晴らしく優秀な戦前のベーゼンドルファー200です。今では暴れたり疲れたりしてしまっているようですが、それはまぁ一般の用に供されている楽器ですから、多かれ少なかれ仕方がないところですね〜。

ブラームスのピアノ曲は「分厚い」とか「暑苦しい」とばかり評されてしまいがちに感じますが、本当に「暑苦し」かったのか、非常〜に疑問に思っているワタクシでして。プラームスの音の使い方はまぁ確かに独特で「分厚い」ことが多いのは確かですが、そればかりで大作曲家の仲間入りができようハズがないのは自明ではないですか〜。しかも実は、ブラームスはピアノ演奏に際してショパン同様に「柔らかさ」を常に要求していた作曲家で、そこに暑苦しさが入る余地はかなり少ないような気がしてなりません。現代のピアノよりもはるかに「柔らかさ」を表現しやすい戦前のベーゼンドルファーでブラームスの晩年の頑固オヤジっぷりを感じ取っていただけると嬉しいです!(・o・ゞ

2017年10月15日 (日)

ブラームス『間奏曲 op.119-1』を、1894年製ウィーン式アクションのベーゼンドルファーで

ブラームス(1833-1897)は、最晩年の1892年にop.116〜119のピアノ小品集をまとめて書いていまして。そのラスト『4つの小品 op.119』より第1曲「間奏曲/Intermezzo」を、まさに同じ時期に作られた1894年製ウィーン式アクションのペーゼンドルファー(85鍵)で弾きました。

ブラームスは「分厚すぎ」とか「暑苦しい」とか評されることがかなり多いように感じますが、本当にそうだったのか、非常〜に疑問に思っているワタクシでして。ブラームスの音の使い方はまぁ確かに独特で、さらに普通のピアノ曲とは異なる跳躍技法に満ちていることも原因でしょう、現代のピアノでひたすらに頑張ってしまうと変わり果てた姿になりやすいような気がします。

ところが実は、ブラームスはピアノを弾くときにはショパン同様に「柔らかさ」を常に要求していた作曲家で、このことだけでもブラームスのピアノ演奏の方向は「ひたすらに頑張る」という方向でないことは明らか。これを、現代のピアノよりもはるかに「柔らかさ」を表現しやすいブラームスの時代のピアノで感じ取っていただけると嬉しいです!(・o・ゞ

2016年2月28日 (日)

ブラームス/インテルメッツォ op.117-1

いつもお世話になっている白金台のチェコ製ピアノ「ペトロフ」専門店のピアノプレップによる、きわめて普通な方向を突き詰めた精密調整で仕上げられた、ごく普通の173cmグランドピアノで弾いた、ブラームス/Brahms (1833-1897) 『3つの間奏曲 op.117』から第1曲をどうぞ!

このグランドピアノ、5年ほど前の販売にも関わらず先日ピアノプレップに新品同様の驚くべき状態でやってきた楽器だそうで、見事な職人技で再初期化(リプレップとでも言うのか?w)がなされていてワタクシも仰天。
新品同様でもど〜ゆ〜ワケか木の箱は音響的にこなれており、とりわけ低音のふくらみにはぶっ飛びましたです。そりゃ〜、ブラームスの後期の作品を弾きたくなるってぇモンでありま〜す (`・ω・´)シャキーン

このop.117-1、曲の冒頭に、ドイツの詩人ヘルダーによる各国の民謡や伝承をまとめた一節が引用されています。
原詩は、スコットランド民謡の「Lady Anne Bothwell's Lament」です。
<安らかに眠れ、わが子よ。安らかによくお眠り>
<お前が泣くと、私の胸はつぶれてしまう   >


現代は凄い時代で、この民謡のページもあるんですね〜。
http://www.contemplator.com/scotland/bothwell.html

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