1950年ごろ製造 STEINBERG/スタインベルグで、ボエルマンの『インプロヴィゼーション集, op.28』から、第1曲を
戦後おそらく1950年前後と思われる STEINBERG/スタインベルグ(内山楽器製造)で、ボエルマンの『インプロヴィゼーション集, op.28』から、第1曲を弾きました。例によってのピアピットの入庫品でクリーニングと再調整のみ、な〜かなか味わい深い音色ですよ〜。
STEINBERG/スタインベルクは戦前のドイツはベルリンのメーカーですが、この個体はそれとは縁もゆかりもなく、実は日本で主に下請けとしてピアノを製作していた内山楽器製造が製作していたものです。動画内に載せた品番を消した痕(な〜んとなくNo.350と読めそうな気がしませんか?)からして、他メーカーの鋳物フレームを流用した製品と推測できます。
相互の了解のあるなしに関わらずwww部品の流用は頻繁にあった業界ですし、そもそも鋳物フレームの設計・発注なんぞは知識をごっそり持って資本力がある限られたメーカーしかできなかったワケで、右上のブランド名だけを差し替えれば流用できるようにしている設計にしてあるところもまことに興味深いです。このようなメーカー間の提携・流用関係を知る人はあらかたあの世に行ってしまっていることが残念でなりません。
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html
基礎文献:三浦啓市『日本のピアノメーカーとブランド』
https://www.ankasha.com/books/books2
Léon Boëllmann/ボエルマン(1862-1897)はオルガン方面で有名なフランスの作曲家で、ご多分にもれずにオルガニストでありピアニストでもありました。この『インプロヴィゼーション集, op.28』は良い感じでおふらんすな洒脱さが随所に光る佳作集ですよ〜(・o・ゞ
最近のコメント