シューマン『幻想小曲集 op.12』から、第3曲『なぜに?/Warum?』を1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で
シューマン(1810-1856)の『幻想小曲集 op.12』から、第3曲『Warum?/なぜに?』を、いつもの1894年ベーゼンドルファー製ウィーンアクションのピアノで弾きました。
シューマンは現実の世界とファンタジーの世界を行き来していた・・・どころか現実とファンタジーとの区別をつけずに芸術の世界に生きていたように思えてなりません。シューマンの曲は、楽器の指定がナニであってもその楽器にとって「どうにもしっくりこない」ところがそこら中にwありますからね。シューマンの音楽は自身の空想の中でのみ最も美しく鳴り響いていたのでしょう。
昔の楽器の周りに立ちのぼる霊的な雰囲気は現代人の大多数が知らない世界ですし、その楽器を奏でる人間もまた現代人の想像を絶する霊的な能力を備えていたに相違ありますまい。創造者である作曲家にとってイメージの源泉として極めて大切であったのが楽器でありそれを奏でる演奏者であったのは論をまたず、そもそもその世界は霊的な世界ですから、現実とはなんぞや、とかファンタジーとはなんぞや、とかいうむちゃくちゃメンドウなテツガクな世界に突入することに。シューマンは、その「ハマり方」が尋常でなかったのではないでしょうか。
この動画で使っているウィーン式アクションのベーゼンドルファーは1894年製、「霊性を備えた楽器」という意味を十全に残していた時代のお道具ですから、とりわけこの曲のように不思議な曲では威力を存分に発揮してくれます。単純に音色の美しさというだけでなく、多彩に何層にも折り重なった響きの美しさを際立たせてくれるんですよ〜(・ω・ゞ
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