戦前ベルリン製の HAGSPIEL 145cm で、シューマンの「ユーゲントアルバム, op.68」から、第13曲『5月、親愛なる5月よ ー もうすぐ君がまた来てくれる!』を
戦前ベルリン製の HAGSPIEL 145cm で、シューマンの「ユーゲントアルバム, op.68」から、第13曲『5月、親愛なる5月よ ー もうすぐ君がまた来てくれる!』を弾きました。
この個体の奥行きはとっても小さい145cmで鍵盤数は85鍵、鍵盤蓋に「HAGSPIEL / Berlin」という表記がありますが、HAGSPIELを調べてみてもベルリンではなくドレスデンのHagspiel & Comp.がいくつか出てくるのみで、ベルリンの情報は全く存在せず。ケース内側に「Supplied by Harrods Ltd. London No.H66259」というプレートがあったためロンドンのHarrodsにも問い合わせましたが、残念ながら情報は皆無。6本脚デザインを併せて考えると戦前1930年前後の逸品ではなかろうかと推定できますが、残念ながら全く確証はございませんです。そこら中が動かずでホコリだらけな状態でしたが、例によってのピアピットがバッチリ手を加えた結果、1ヶ月ちょいで素晴らしい音色がよみがえりましたぞ✨
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html
実は唯一、中国のHAGSPIELのサイト(2015年以降更新なし)が検索に引っかかり、Brand Story として英語サイトに「初代は1845年からイタリアで修行して1851年にベルリンで創業、ピアニストや音楽愛好家とのコミュニケーションを通じて飛躍を遂げ、質的に厳格であるために生産量を年間1000台に制限、第二次大戦を避けるためにフロリダにわたり・・・」とかなんとかまことしやかにしかもエラく詳〜細に書かれていてぶっ飛んだんですよ〜。
1980年代に多くのドイツ名門ピアノブランドが中国資本に買い漁られてしまったという現実もございまして、もしやコレがベルリンのHAGSPIELの成れの果てか? とも一瞬思って色めき立ちましたが、考え直しました。1845年当時ピアノ製作の最先端はパリ(プレイエルやエラールがゴリゴリに頑張っていた時代ですぞ)で、イタリアには修行できるような目ぼしいメーカーはございません。ドイツ語サイトに載っている歴史写真の数々が他メーカーの盗用なことも判明し、まぁスタインウェイの2年前の1851年を創業としたのは頑張ったなwwwとも思いましたが、この中国HAGSPIELの歴史資料はまぁ捏造とみなすのが賢明でしょうね〜🫢
シューマン/Robert Schumann(1810−1856)の「ユーゲントアルバム, op.68」は、子どものためのアルバムを標榜しつつも案外と容赦ない内容がぶっ込まれていたりします。この第13曲『5月、親愛なる5月よ ー もうすぐ君がまた来てくれる!』は「ユーゲントアルバム」の中でも飛び抜けて充実していて、子供のためのアルバムのレベルを圧倒的に超えため〜っちゃオトナな曲です。しかもな〜んと、ちょうど良く曲の後半で鳥がさえずってくれているんですよ〜👌
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