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カテゴリー「音楽>作曲家>Debussy」の3件の記事

2024年6月19日 (水)

戦後1950(昭和25)年製 YAMAHA No.20(170cm)で、ドビュッシーの『Rêverie/夢』を

戦後1950(昭和25)年製、名品として名高く今となってはなかなかお目にかかれなくなった YAMAHA No.20, 170cmがいつものピアピットに入庫、調律がさほど乱れていなかったので修復前の状態を記録しておきました。非常に魅力たっぷりの音色を備えていますがしばらく放置されていたためさすがにアクションの動きはか〜なり重ったるく低音ももっさり😅、それでも1時間ちょいの音出しで低音のもっさり感がまぁそこそこ解消できてホッ。

1950(昭和25)年はYAMAHAが戦後初のフルコンサートグランドFC型を完成させた年で、この No.20 はその少し前の製造番号がつけられています。まだ連合軍による占領は続いておりましたが朝鮮戦争による特需もあって戦後復興にはずみがついたタイミングでもあり、YAMAHAは翌1951(昭和26)年末にレーモンドのデザインによるYAMAHA銀座店を完成させています。なお、鍵盤蓋のYAMAHAのロゴ含め外装の飾り塗装は特注ではなく、持ち主が購入後地元の職人に依頼して行ったらしい、とのことでした😉

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

『Rêverie/夢』は、Claude Debussy(1862-1918)の初期の名品とされて演奏される機会も非常に多いですね〜。ただこの曲は比較的単純な音の重ね方で夢見心地な雰囲気を出さねばならんので、実はテンポ設定がか〜なり難しいんですわ。まぁ曲の最初に「Andantino sans lenteur」と記されていますから、少なくともモタモタする印象を受けるような弾き方は得策でないだろうなぁ・・・とかなんとか💦

2021年8月 1日 (日)

ドビュッシー『ピアノのために』から、第2曲「サラバンド」を、1905年製プレイエル3bisピアノ(85鍵)で

ドビュッシー(1862-1918)の『ピアノのために』から、第2曲「サラバンド」を、1905年製85鍵のプレイエル 3bis(トロワビス)型ヴィンテージピアノで弾きました。

『ピアノのために』は1901年出版、ドビュッシーが自身の音楽語法を確立したかなり初期の作品といわれています。この時代のパリはありとあらゆる芸術が花盛りであった時代、これから進む新しい方向を向きつつも過去の遺産にもしっかりと憧れの眼を向けていたようで、擬古典的な作品もた〜くさん産み出されていました。そして、この時代のチェンバロ復興の趨勢がモダンチェンバロという、不当にも無視されていますがなかなか興味深く実は音楽的にも相当に豊かな方向に向かったこともなにげに愉しいです (*´-`)

19世紀から20世紀へと移り変わったこの時代のピアノはすでに鉄骨交叉弦方式が圧倒的でしたが、作る人間の経験も弾く人間の経験もま〜だまだ以前のピアノの時代の経験が圧倒的だったはず・・・ということはしっかり指摘しておきたいところです。いつの時代でもどんな分野でも同じですが、「最新式」というシロモノは、いかにそれが革新的であっても、否、それが革新的であればあるほど、ほとんどの人にとってはその革新性ではなく逆に以前の経験の延長上でしか体験・受容し得ないというのが宿命・必然なんだろうなぁと思っています (`・ω・´)

このやうな認識に立脚すると・・・この時代の音楽をこの時代の楽器で弾くとき、少なくともワタクシの姿勢は一時代昔である後期のフォルテピアノ的な芸風そして音作りだった人がそこからイロイロと拡張できて愉しいぢゃないのよ〜・・・という意識で弾くことになります。この時代の鉄骨交叉弦のピアノは構造こそ現代のピアノと同じですが、むっちゃ単純に「年相応にくたびれているw」ものがほとんどです。このような楽器ですから、現代ピアノとしては物足りなく、フォルテピアノとしては近代化されすぎていて不満、と思われがちなのもむべなるかな。ホントはそ〜ぢゃないと思うンですけどね〜 ( ̄ー ̄)

使っているピアノは高崎のアトリエミストラル所蔵の1905年製プレイエル 3bis(トロワビス)型、コンスタントに使われていますが使われ過ぎることもなく演奏会ごとにきちんと手を加えられており、イイ感じに響きが育っています。もともと信用金庫であった頑丈な建物でかなり音が回り、ちょっと日本でないような錯覚にさえ陥ることもあります。ココ、実はヴィンテージな楽器を演奏するのにかなり適した環境なんですよ〜。

2017年3月25日 (土)

ドビュッシーの命日によせて『アラベスク第1番』を、プレイエル1858年製のピアニーノで

今日(3/25)は、ドビュッシーの命日ですね〜。
有名(すぎる)な『アラベスク第1番』を、ドビュッシーが生まれる数年前の1858年にパリで製作された、プレイエル社のピアニーノ(85鍵、鉄骨無し)で。4年前の動画で御免です。m(._.)m

このピアニーノはショパンが自宅に持っていたピアニーノと構造的にはほとんど変化がなく、この時代ではすでに古い機構の楽器でしたが、このような曲にはいかにもふさわしい楽器の一つではなかろうかと。

また、この楽器は真摯かつ非常に理解度が高い技術者の手でオリジナルの思想に忠実な修復がなされており、この楽器ならではの体験ができるかもしれません(・o・ゞ

修復は、ピアノ・バルロン・ジャパンhttp://francepiano.jp/home.html)と、さいたまピアノ工房http://saitama-piano.main.jp/)です。ともに洞察力に富み緻密で実直な目と技術、そして楽器と音楽に対する深い愛情を備えた小さな大工房です!

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