Caleb Simper(1856-1942)「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」第2巻から第1曲『Opening Voluntary』を、1893年ごろシカゴコテージオルガン社の豪華棚付きリードオルガンで
ピアピットに展示していた才気堂、渡邉祐治さんからの足踏みオルガン、なんとアップし忘れていましたw(*´-`)
北米はリードオルガンの本場、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのアップライトピアノが家庭を席巻する前の時代には、それこそ星の数ほどのメーカーがこのような豪華な棚つき大型リードオルガンをこぞって作っており、柔らかで温かくそして大らかな音色の世界が普通の家庭の中に豊かに広がっておりました。Chicago Cottage Organ社は、1800年後半から1900年初めまでリードオルガンを大量に作っていた大手メーカーです。開拓者精神にあふれていた当時のアメリカを彷彿とさせる世界をどうぞ〜!(ヤマハもカワイもピアノが最初ではなく、足踏みオルガンの製造が最初だったことも知っていただきたく!)
・お問合せ→リードオルガン修復:才気堂、渡邉祐治
https://pianoreedorgan.jimdofree.com/
イギリスのオルガニストそして作曲家のケイレブ・シンパー/Caleb Simper(1856-1942)の「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」シリーズの第2巻から、第5曲『Meditation』を、ボストン近郊の Bridgewater で1930年代始めまで頑張っていたパッカード社1905年製の大型棚つきリードオルガンで弾きました。このベル社のリードオルガンは長い(=低い)16フィートのストップが低音側だけでなく全音域にわたって使えるのが特徴ですが、この動画では普通に8フィート+4フィートで弾きました。
ケイレブ・シンパーは普通の愛好家にとって親しみやすく平易な作品を数多く作曲しており、それこそ何万冊の単位でむちゃくちゃに「売れて」いたんですね〜。この「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」シリーズだけでも12冊出版されておりまして、その第2巻の第1曲がこの『Opening Voluntary』です。実はこの「17 Voluntaries for the Organ, American Organ or Harmonium」はオマケが入っているものが5冊もあるという、似たような雰囲気の曲もまぁ少なくはないにしても、多作家ってぇヤツはホントにスゴいんだなぁと。
このベル社のリードオルガンは1900年前後に北米で隆盛を極めていた豪華棚付きリードオルガンの生き残り。小学校低学年の授業で使われていた程度の楽器、というリードオルガンのイメージとは全く異なる堂々たる楽器です。管楽器や歌唱のイメージは「レガート」という表現に取り組む上で必要不可欠。リードオルガンは管楽器かつ持続音を得意とする楽器で、しかも空気を足踏みペダルで送るのですから工夫次第で強弱表現が可能、というかなり楽しい楽器です。素直で温かくしかも演奏者の悪知恵w次第で管楽器としての多種多彩な表現ができる魅力は、一部の世界だけに留めさせるにはあまりにも惜しい世界です。
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