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カテゴリー「音楽>楽器>リードオルガン」の79件の記事

2020年2月26日 (水)

『栄光の架橋 - ゆず』を、100年ちょい前の大型リードオルガンで

ゆずの『栄光の架橋(2004年)』を、100年ちょい前の1905年に北アメリカのパッカード社で作られた棚付きリードオルガンで弾いてみました。現代の音楽に100年前のリードオルガンをどこまで追随させられるか、どうぞお愉しみくださいませ!(`・ω・´)

リードオルガンやハルモニウム(足踏みオルガン)は19世紀後半から20世紀初頭にかけての音楽の一翼を担ったとも言うべき大切な存在なのですが、当然ながら現代的合理的な設計なんぞされておらず修復の労が「馬鹿馬鹿しいくらいに面倒」だったりします。そのためもあってかとりあえずどんなにごまかしであっても音が出てくれさえすれば良しとされて本来の西洋が全く発揮されていないことが少なからず、マトモな楽器とみなされず「懐かしくてイイ感じ〜」程度で強制終了wされてしまいがちなのがホントに残念でなりません。ですがチト待っていただきたい。19世紀後半から20世紀初頭にかけてはアコースティック全盛の時代で、そんな時代に隆盛を極めていた楽器がマトモでないはずがないことに、そろそろ気づいても良いのではないでしょうか!

同時に、とりわけ古いお道具な世界では「100%理想的な状態」というのが理想論でしかあり得ないことにも感づかれるかと思います。多かれ少なかれ限定された状況で「カタチにして仕上げる」ためにはやはり愚直で泥臭い作業に勝るものはなし、館林の渡邉祐治氏はそこを妥協せずに根本からやってのける希有の大職人です。渡邉氏の手にかかったリードオルガンを弾くたびに、深く正しい理解に基づいた的確な見立てこそが大切なんだなぁ・・・と痛感させられます。

2020年2月21日 (金)

上尾市、聖学院教会の Farrand & Voter 社1891年製リードオルガンで、Ernest A. Dicks(1865-1946) 作曲『Andantino』を

埼玉県上尾市にある聖学院大学のキャンパス内「緑聖伝道所・教会」に新しい聖堂ができたのは2004年とのこと、その際に当時の主任牧師が「教会の名物にする」との意気込みで古いリードオルガンを購入するも一度コンサートを開いたきりでお蔵入り・・・という、ワリとありそうな話がございまして。このオルガンは1891年デトロイトの Farrand & Votey 製の11ストップの堂々たる棚付きリードオルガン、いつものリードオルガン修理の達人、渡邉祐治氏が軽く手を加えただけで例によって化けたというタレコミwがあり、早速拝見して情報拡散のための動画を録るのはワタクシの役目でありま〜す (`・ω・´)

曲は、1909年にグラスゴーで出版された『Twelve Short Voluntaries - for the American Organ or Harmonium』から、第4曲「Andantino」です。作曲の Ernest Alfred Dicks (1865-1946) はイギリスのオルガニスト・作曲家、この当時のオルガニスト件兼作曲家らしく、精力的に作品を出版しております。いかにもオルガンらしく穏やかで滑らかな雰囲気は、この世界ならではの至福の時間ですよ〜 (*´-`)

この楽器の復活コンサートが2020年3月22日(日)14時半〜16時、この聖学院教会・緑聖ホールでございます。演奏は 大宮公園のバッハアカデミーの山田康弘 氏、レクチャーは当然ながら 渡邉祐治 氏です。「昔、学校の教室でブカブカ弾いていたよね〜」な世界とは全く異なる足踏みオルガンの世界、少しずつでも知っていただけたらなぁと思います。

2020年1月24日 (金)

Lee Conklin Reed Organ Museum の Lyon & Healy 社製リードオルガンで、H.D.Hewitt 編曲『Wely’s Celebrated Offertoire』を

2019年の Reed Organ Society gathering が行われた、ミシガン州の小さな村:ハノーヴァーにある Lee Conklin Reed Organ Museum には100台ものリードオルガンが展示されており(日曜午後の4時間のみ;;;)、遠く遠くの日本からはるばる訪ねたよしみで(?)まとめて録画する時間を取らせてもらえました。

ウォルター・ヘンリー・ルイスの『休日の鍵盤愛好家のための曲集 〜あらゆる機会のために〜』(1914年)には小品が36曲おさめられておりますが、実は玉石混淆で弾き手の理解力が問われるのはココだけのハナシw。その中から、H.D.Hewitt 編曲による『Wely’s Celebrated Offertoire』を、シカゴで1887年から1907年にリードオルガンを作っていた Lyon & Healy で作られたリードオルガンで弾きました。

原曲は、Lefébure-Wély(1817-1869)の足鍵盤付きオルガンのために書かれた『Six Grands Offertoires pour l'Orgue, op.35』の第4曲ト長調で22ページに渡る大曲ですが、編曲者の H.D.Hewitt はこれをニ長調に移調して見開き2ページで収まるようにまるっとw簡略化しています。

オリジナル至上主義はそれはそれで意味がありますし、基本的にワタクシもその立場に立っておりますが、それだけが音楽の世界であると考えてしまってはそれは傲慢以外のナニモノでもありませんね。市井の人々の間にかつてあふれていた音楽はとにかく自由なものでちょっとした集会所のスクエアピアノやリードオルガンそしてハルモニウムの周りに生まれていたわけですし、そのような普通の人々のための曲集では長い曲をバッサリ切り詰めたり調号の少なく読みやすい調性に移調したりしてあるのがごく普通のことでした。考えてみれば、現代でも全く同じなんですけどね〜(・o・ゞ

2020年1月10日 (金)

Lee Conklin Reed Organ Museum の Taber Organ 社1890年ごろのリードオルガンで、Lemmens『オルガン教本』で足鍵盤なしのオルガンのために編まれた第1部所収の『13 pièces diverses』第6曲『Sortie』を

2019年の Reed Organ Society gathering が行われた、ミシガン州の小さな村:ハノーヴァーにある Lee Conklin Reed Organ Museum には100台ものリードオルガンが展示されており(日曜午後の4時間のみ;;;)、遠く遠くの日本からはるばる訪ねたよしみで(?)まとめて録画する時間を取らせてもらえました。

フレデリック・アーチャーの『アメリカンリードオルガン教本』(1889年)の第2巻には小品が70曲おさめられており、なかなか感じ良くリードオルガン用に編集されているように思えます。その中の第8番、Jaak Nicolaas Lemmens(1823-1881) 作曲の『Alla Marcia』を、マサチューセッツ州はウォーチェスターの Taber Organ & Co. で作られたリードオルガンで弾きました。

この『Alla Marcia』のオリジナルは Lemmens が1862年に上梓した『オルガン教本』で足鍵盤なしのオルガンのために編まれた第1部所収の『13 pièces diverses』の第6曲め『Sortie』です。アーチャーはオリジナルの題名を『Alla Marcia』と変え、曲も後半部分をカットしていますが、気軽な普通の曲集ではそれが当たり前。現代となにも変わることはないのでありま〜す。

2019年12月30日 (月)

ユージン・セイヤーの『礼拝のための前奏曲 へ長調』を、1905(明治38)年ヤマハ製リードオルガンで

Eugene Thayer/ユージン・セイヤー(1824-1896)は、アメリカのオルガニスト・作曲家。1870年に『The Art of Organ Playing』5分冊を刊行し、さらに1874年から1877年まで『Organist’s Quarterly Journal』を刊行しています。この動画で弾いている『Service Prelude in F(礼拝のための前奏曲 へ長調)は、『The Art of Organ Playing』の補遺として自身を含む種々の作曲家の作品を集めて3分冊で刊行された『Organ Music for Church Service』の第1巻の第9番です。このような実用のための曲集はそれこそ星の数ほど出版されており、まことに深く複雑な世界でありま〜す (*´-`)

弾いている楽器は、おなじみ渡邉祐治氏による丁寧な修復を経てよみがえった1905(明治38)年ヤマハ製リードオルガンです。このリードオルガンが作られた5年前の1900年にようやくヤマハはアップライトピアノ第1号機を完成させたばかりで、まだまだ時代はリードオルガンの時代でした。この明治のリードオルガン、一種独特な低音の重く深い響きにシビれますよ〜(・ω・ゞ
・渡邉祐治氏YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC6wktpotX7LAsEq-4diaaIA
・調律師「才気堂」:http://saikido.blog.jp/


2019年12月24日 (火)

独逸はシュトゥットガルトの Ph.J.Trayser 社による1895年ごろのハルモニウムで、エルガーの「Vesper Voluntaries, op.14」から第4曲を

独逸はシュトゥットガルトの Ph.J.Trayser 社による1895年ごろ製と推定されるハルモニウムで、Elgar(1857-1934) の「Vesper Voluntaries, op.14」から4曲めを弾きました。この曲集は1曲めが「INTRODUCTION」なので4曲めを「第3曲」という表記をするのも正しく、チト混乱が生じるかもです ヽ( ̄▽ ̄)ノ

ハルモニウムもリードオルガンも足でふいごを踏んで風を送って音を出すオルガンなのですが、風を送る考え方が根本的に異なります。ハルモニウムは大オルガンと同じく空気を圧縮してそれが吹き出す勢いで風を送ります。リードオルガンは空気圧を下げてそこに空気を吸い込ませる勢いで風を送ります。そのためハルモニウムは「吹き出し式」と呼ばれ、リードオルガンは「吸い込み式」と呼ばれます。同じ足踏み式オルガンでも、世界は全く異なるんですよ〜。

このオルガンを修復しているカナダのオンタリオ在住の Rodney Janzi は、サイトトップに「Sharing the forgotten sounds of the reed organ」と記している通り、リードオルガンという忘れられた世界を信じられぬほど精力的に発信している第一人者です。本業のかたわら(!)リードオルガンに本格的に取り組み始めたのは2008年のこと、以前からの木工趣味が活かせたということもありましょうが、現象を細かく細かく切り分けるコンピューター技術者という本業がリードオルガンという未知の世界を切り拓くために極めて重要なポイントだったのだろうと思います。大規模なオルガンの修復場所は彼の本業のボスが好意で無料で使わせてくれている倉庫の二階とのことで、うむ、なるほど、そりゃ〜本業をストップするわけにもいかないですな(・x・ゞ
*Rodney Janzi Website: http://www.rodneyjantzi.com

今年2019年は2年に一回の Reed Organ Society gathering 開催の年。場所がミズーリ州デトロイトの近く(近くないw)と来れば、トロントに飛んでレンタカーを借りれば帰りに Rodney の家に寄れるぞ・・・というコトは盟友の渡邉祐治氏の運転に頼ってしまったのですが、まぁそれはともかく(ともかかないw)二人で存分に愉しんできたのでした。激安航空券を探したらなんと Aeromexico のメキシコシティ経由トロント便が73000円(ほんの数日だけだった模様www)だったので、まさかの中南米初体験も果たせたというおまけもつきました。これについては、このブログの10月をたどってみてくださいませ〜 (`・ω・´)
・リードオルガン修復:渡邉祐治
https://www.youtube.com/channel/UCSiix1iGPuO6XR54th_BjHw

2019年12月20日 (金)

ブルックナー(1824-1896)の『前奏曲 ニ短調 WAV130』を、1905(明治38)年ヤマハ製リードオルガンで

ブルックナー(1824-1896)は、長い長〜い交響曲や宗教曲の作曲家としての側面は非常に有名ですが、初めはオルガニストとして大成功していること、意外と知られてはいないように思えます。10歳にして早くも父親にかわって教会でオルガンを弾くようになり、1855年から1868年にはリンツ大聖堂のオルガニストをつとめていたんですよ〜。作曲を学び直し始めたのはようやくその1855年(31歳)のこと、交響曲第1番はその11年後の1866年の作曲ですから、作曲家としては非常に遅咲きと言ってよかろうと思います。

ブルックナーは生涯オルガニストとして活動して即興演奏の名手として名声を博していましたが、残念ながらオルガンのための大きな曲は遺しておらず手鍵盤のみの曲を10曲ほど遺しています。この「Vorspiel(前奏曲)ニ短調 WAB130」は作曲を学び直す前の1846年ごろの作曲とされています。自筆譜はなく楽器の指定もありませんが、おそらくはオルガン用であろうと推定されています。

弾いている楽器は、渡邉祐治氏による丁寧な修復を経てよみがえった1905(明治38)年ヤマハ製リードオルガンです。このリードオルガンが作られた5年前の1900年、ようやくヤマハはアップライトピアノ第1号機を完成させたばかりで、まだまだまだまだw時代はリードオルガンの時代でした。この明治のリードオルガン、一種独特な低音の重く深い響きにシビれますよ〜(・ω・ゞ

2019年12月15日 (日)

風琴音楽會 Vol.4 バッハとオルガン、盛況御礼

さてさて、12月14日のリードオルガン大集合 in アトリエミストラル@高崎、なんと快晴で穏やかな中、盛況でございました。ありがとうございました (*´-`)

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リードオルガンが「なつかしい」気にさせられるのは、リードオルガンの姿や音色が「なつかしく温かい気持ちにさせてくれる」からなんですね〜。現代人はなにかとギスギスしがちですが、だからこそ、このような「なつかしく温かい世界」を近くに持てる現代人はささやかな幸せへの切符を手にしているのではないでしょうか・・・手前ミソ御免w

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その世界の雰囲気を十全にお伝えするにはマトモに修復されたリードオルガンが不可欠で、なかなかそのような楽器は多くないようですが、少なくとも渡邉祐治さん周辺のリードオルガンはごまかしとは無縁です。これからもゆるゆるとですが発信していきますので、お運びいただければと存じます (`・ω・´)

2019年12月11日 (水)

Lee Conklin Reed Organ Museum の Chicago Cottage Organ 社1893年製リードオルガンで、J.L.Battmann(1818-1886) 作曲『6つのセットからなる72の小品集 op.60』から、第2セット第7曲を

現代の日本ではリードオルガンと言ってもなかなか通じませんが、足踏みオルガンと言えばそれなりの年齢の方々(失敬w)には学校で遊び半分でいじっていた記憶がおありかと思います。ですが、100年以上昔に北米で隆盛を極めていたこのタイプのリードオルガンの世界は全〜然全く違う世界だったんですよ〜〜〜〜。 この時代はアメリカン・ドリーム華やかなりし時代ですから、それはそれは壮大で華麗で複雑な世界でして(`・ω・´)

シカゴ・コテージ・オルガン社が1893年ごろに作った大型棚つきリードオルガンで、Jacques Louis Battmann(1818-1886) の「6つのセットからなる72の小品集 op.60」から、第2セットの第7曲を弾きました。この曲集は12曲を1セットとした6つのセットで構成されており、その結果12曲×6セット=72曲となっています。その第2セットの7曲めですから、12曲×1セット+7曲め=第19番という計算となりま〜す。

この手の大型棚つきリードオルガンは100年ちょい昔の北米にはごくごく普通にあった楽器です。見た目はパイプオルガンに匹敵するくらいに派手ですが、実は普通の箱型のリードオルガンの上に豪華な装飾棚(しかも意外と軽いw)を載せているだけなので、構造や機能自体は普通のリードオルガンと一緒と考えて差し支えないのでした。見た目で身構える必要は全〜然ないんですよ〜(・o・ゞ

Jacques Louis Battmann/ジャック・ルイ・バトマン(1818-1886)はフランスのオルガニストです。とてつもない多作家で作品番号は456に及び、それに加えて教則本や学校のための音楽までを作り倒してwいたとのこと。これほどまでに曲を作っていたら粗製濫造になってしまうのが当然と思いますが、弾いてみるとどれも小ぢんまりとまとまっていて悪くないのがこれまた恐るべし(どれも似たような感じなのもまた確かなのですがw)。周辺にこのように分厚い中堅作曲家の層があってこそ、人類史上に燦然と輝く大作曲家を生み出せるのでしょうね。高くそびえる山のすそ野は広いのでありま〜す。

2019年12月 7日 (土)

12月14日『風琴音楽會 Vol.4 バッハとオルガン』準備ちぅ!

さてさて、12月14日のリードオルガン大集合 in アトリエミストラル@高崎、着々と準備が進んでますぞ(`・ω・´)


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リードオルガンって本当は楽器としてまともな存在であることはなかなか体験できませんが、今回は中身を熟知した達人:渡邉祐治氏の手による良い状態の楽器を存分に体験できます。


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加えて、会場の アトリエミストラル の響きは欧米の石造りの建物のそれとかなり似ており、日本でこの経験ができる機会はなかなかございませんよ〜(*´-`)

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さすがに少し寒くなってまいりましたが、年の瀬に向けて温かい雰囲気を体験できます。どうぞ「休日おでかけパス」2720円または「青春18きっぷ」5日間有効を使って高崎までお出かけくださいませ〜。ともにJR各駅の指定席自動販売機でサクッとお求めになります (*´-`)

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