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2025年12月の6件の記事

2025年12月26日 (金)

YAMAHA U3B 山口正城モデル 1960年製 で、パデレフスキの『旅人の歌, Op.8』から第3曲を

1960年製の YAMAHA U3B 山口正城モデル で、パデレフスキの『旅人の歌, Op.8』から第3曲を弾きました。
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/385835

例によっての ピアピット のオーバーホールですが、弦交換ハンマー交換などの過程でなんと巻弦の長さが普通のU3と異なることが判明、奥行きの大きな本体設計とも相まってでしょうか、十二分に充実して味わい深い響きが甦ってビックリ(*´-`)
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

このデザインは長年根拠なく憶測でレーモンドによるデザインとされていましたが、近年YAMAHAが特許庁の意匠登録データなどを精査し直した結果、代表デザイナーを示す「意匠考案者」が工業デザインの重鎮の千葉大教授だった山口正城氏(1903-1959)であったことが再発見されました。なお「意匠考案者」がレーモンドだった機種は、アップライトの一機種だけだった由。
・毎日新聞 2023/3/19 09:30
https://mainichi.jp/articles/20230315/k00/00m/040/317000c?fbclid=IwAR2ie2YkxgX8M8xaYgGD6qQrPO5cw7kpsfi47OYWQocs7joepzTgvbSzyUo

作曲のパデレフスキ/Ignacy Jan Paderewski(1860−1941)はポーランドの偉大な巨匠ピアニストの一人で、かつ、第一次世界大戦後に独立を回復したポーランドで首相と外務大臣を兼務しています(1919年1月〜11月)。また「一日練習をサボると自分に分かる。二日サボると批評家に分かる。三日サボると聴衆に分かってしまう。」という言葉も有名ですね〜(・o・ゞ

2025年12月19日 (金)

YAMAHA W101 1974年製 で、ネルクの「易しい旋律的小品集, op.166」から、第1曲『バラの花のもとで』を

1974年製ごく普通の YAMAHA W101 で、ネルクの「易しい旋律的小品集, op.166」から、第1曲『バラの花のもとで』を弾きました。
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/382335

1974年は昭和49年ですからピアノ業界に限らず日本全体が活気に満ちており、そんな時代にしっかり作られた個体です。少し明るめで素直な音の伸びがちょっとおしゃれなこの姿でよりイイ感じになってますね〜(*´-`)
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

August Nölck(1862−1928)は、ハンブルクの音楽院で学びドレスデンで活躍していた作曲家、チェロの名手で同時にピアニストでもありました。チェロの作品が多数を占めますが、この「易しい旋律的小品集, op.166」は聴きやすく弾きやすく親しみやすいピアノ作品集ですよ〜(・o・ゞ

2025年12月13日 (土)

リントホルムの1段チェンバロで、フィッシャー「音楽のパルナス山」第1組曲『Uranie』から「サラバンド/Sarabande」を

おそらく50年ほど昔のLINDHOLM/リントホルム製の1段チェンバロの音です。

現代では古楽器の研究が進んで一般的な理解も追いついてきて、ヒストリカルな工法による楽器を耳にすることがごくごく普通のこととなりましたが、ものの半世紀ほど昔のだいたい1960〜80年あたりはなかなかバリエーション豊かな時代でした。チェンバロは現代の楽器に比べると当然ながら「弱い」ワケでして、20世紀後半という時代には「商品」として通用しないと考えられたのでしょうか、ヒストリカルな雰囲気を持たせながらも強固な構造を持ったチェンバロも一定のシェアを確保していました。

このリントホルムの楽器もそのような存在の一つでして、なんと膝で操作する4フィート弦(=1オクターブ上の弦)のon-offレバーが搭載されています。このようなレバーは実はヒストリカル楽器にも少数ありましたが、それをコピーしたわけではなく独自な頑丈なレバーですね〜👌

この楽器は古楽器も製作するわパイプオルガンも弾いてしまうわな調律師の嶋田ひろみさんが、またまた例によっての印西市のピアピットで作業している楽器です。たまに見学もできますので、ご覧になりたい方はピアピットまでご連絡くださいましね〜。
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

まぁこのような世界が「キワモノ扱い」されること自体は仕方ないこと。ですが、文化・芸術を醸成するにあたっては入り口の多様性ってか〜なり大切なハズでして、このような存在はついつい紹怪したくなってしまうのがワタクシでありま〜す。廻り道って、むっちゃオモシロいと思いませんこと?ヽ( ̄▽ ̄)ノ

2025年12月 7日 (日)

1949年製 GULBRANSEN/ガルブランセンのスピネット型ピアノ で、アルベルト・レシュホルン「30の旋律的練習曲集, op.52」第5番を

GULBRANSEN/ガルブランセンのスピネット型ピアノ 1949年製 で、アルベルト・レシュホルン/Albert Loeschhorn(1819-1905)の「30の旋律的練習曲集, op.52」第5番を弾きました。
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/381075

GULBRANSEN/ガルブランセンは1904年シカゴ創業のアメリカのピアノメーカーで、20世紀初頭のアメリカピアノ業界に大きく貢献しました。第二次大戦後にこのような小型のタイプを製造し「America's Smartest Piano Fashons」と謳って販売していました。この個体は進駐軍の調律の仕事を行なっていた鶴見にあった『大塚ピアノ社』が扱っており、進駐軍が新品で日本に持ってきて置いていったものと推測されます。
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

アルベルト・レシュホルン/Albert Loeschhorn はベルリンの王立教会音楽学校でピアノを教えており、ピアノ用の練習曲と発表会用の小品でそれなりに知られています。

2025年12月 5日 (金)

1968年製 ATLAS 300 で、アレクシス・ホレンダー「サラバンドとガボット Op.23」から第1曲『サラバンド』を

ATLAS 300 1968年製 で、アレクシス・ホレンダー/Alexis Hollaender(1840-1924)の「サラバンドとガボット Op.23」から、第1曲『サラバンド』を弾きました。
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/381081

ATLAS/アトラスは1960年代から1970年代にかけての押しも押されもせぬド中堅ピアノメーカーでやはり良い時代の品物、いつものピアノ工房ピアピットのクリーニングと再調整で落ち着いた鳴りが甦りましたぞ。
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

アレクシス・ホレンダー/Alexis Hollaender(1840-1924)は、シレジア(ポーランドとチェコの国境付近)生まれの音楽一家の一人で、1875年にときのドイツ皇帝ヴィルヘルム1世から王立音楽監督の称号を授けられています。

2025年12月 2日 (火)

中島みゆき 作詞/作曲『昔から雨が降ってくる』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

本日(12/2)はワタクシの60回めの誕生日、いろいろありつつも59歳を迎えることができました。

さて恒例の中島みゆき、『昔から雨が降ってくる』をいつもの1894年製アンティークピアノで弾きました(*´-`)
*ワタクシの編曲譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/379184

『昔から雨が降ってくる』は、2007年4月15日にリニューアル再スタートしたMBS/TBS系ドキュメントバラエティ番組「世界ウルルン滞在記“ルネサンス”」のエンディング曲です。同番組のオープニング曲『一期一会』とともに2007年7月にシングルが発売、そして同年10月に発売されたアルバム《I Love You, 答えてくれ》のラストから2曲めの所収です👌

この曲ってば、そもそも題名が謎かけで考えさせられますよね〜。「雨が降っている」ではなく「雨が降ってくる」ですから、単純な「昔から雨が降り続けている」にとどまる程度の題名ではございませぬぞ。これ、言うなれば「昔降っていた雨がそのころの降り方そのままに、現在の我々にも降って来ているのだ」という、悠久の時の流れを象徴するまことに大きな題名だと思います。この意図を明解にしたいならば『雨が昔から降って来る』とするのが妥当でしょうが、こんなきっちりした題名な雨の降り方では詩的な情感もへったくれもなく、<なつかしく降ってくる>なぁんて情緒とはおよそ無縁になりますなw

 あの雨が降ってくる
  僕は思い出す
  僕の正体を
  昔から降ってくる
  なつかしく降ってくる


だからこそのこのサビで、前世やそれ以前に<>が体験していたであろうさまざまを<あの雨>で象徴しているワケであります。現代に降っている雨は実は太古からの雨でもあり、これすなはち「時は循環して連続する」という、中島みゆきの楽曲に頻繁に登場する「輪廻転生」に通じる考え方でありましょう。そしてそれは、あらゆるひとの一生の中で育まれている過去から現在そして未来への人生行路をも象徴しており、転じて他者と人生体験を分かち合うところにまで想いを馳せたくなるような気にさせられますね〜💡

 昔、僕はこの池のほとりの
  1本の木だったかもしれない
  遠い空へ手を伸ばし続けた
  やるせない木だったかもしれない


やるせない【遣る瀬ない】とは辞書によると、憂い・悲しみを紛らわそうとしても、晴らしどころが無(くて、せつな)いという意をもちます。樹木は大地にどっしり根を下ろす力強く雄大な象徴であるばかりでなく、この1番の歌詞では遠い空に象徴される手の届かない存在に対するやるせなさの象徴。ある程度長く人生を経験していれば、誰しもこのような感情に駆られる時があっても仕方ないでしょう。まことに印象的な起承転結の「起」ですね。

 昔、僕はこの海のほとりの
  1匹の魚(うお)だったかもしれない
  話しかける声を持とうとした
  寂しがる魚(うお)だったかもしれない


魚は水中に生きる存在で、なるほど、いかにも声は出せなさそうですし、よしんば声を出せたとしても人類には聞こえないでしょうね。魚にとっての声に象徴される持ちたくても持ち得ない何かを持てずに寂しがる様子、これまたある程度長く人生を経験していれば、誰しもこのような感情に駆られる時があっても仕方ないでしょう。1番の<やるせない>を受けた2番の<寂しがる>が中島みゆきらしさ充分な、起承転結の「承」でしょう。

 昔、大きな恐竜も
  昔、小さな恐竜も
  同じ雨を見あげたろうか
  同じ雨にうなだれたのだろうか


この1連の前に穏やかな間奏が入り、ここで<恐竜>が入る2段だけ変ト長調(フラット6個)からニ長調(シャープ2個)への転調をぶっ込んでくる、というなかなか衝撃的な技術(実は単なる長三度下降にすぎないのですが)。ニ長調はフラットで書き換えればフラット10個の重変ホ長調で、ショパンならシャープでなくフラットで書いただろうなと思って楽譜にするときにチト迷ったのはココだけのハナシwww。太古から流れ続けている悠久の時の流れ、そして今も昔も変わらぬ喜怒哀楽・毀誉褒貶な人間模様に想いを馳せられる、名実ともに起承転結の「転」ですな。

 昔、僕はこの崖の極みの
  1粒の虫だったかもしれない
  地平線の森へ歩きだした
  疑わない虫だったかもしれない


ここまでの3連は<やるせない>とか<寂しがる>とか<うなだれた>とか、半端なく美しいのにどうにもこうにも後ろ向きで忸怩たる雰囲気に満ちていますが、ここで満を持して前に進む<1粒の虫>の登場であります。この将来に対する期待に満ちた高揚感、少し前に動画を出しましたねん😛

 砂は海に海は大空に
  そしていつかあの山へ
『小石のように』1979年)

この<1粒の虫>の一連で落ち着いた変ト長調からスッと半音上げて前向きなト長調に転調しており、曲も歌詞もグッと前向きに進むように書かれています。ほ〜んと、お手本のような起承転結の「結」ですね〜。我々は悠久の時の流れの中では一粒の虫に過ぎない存在でしょうけれど、昔から降ってくるあの雨を感じられる我々は、もはや単なる虫ではございませぬ💪

 あの雨が降ってくる
  なつかしく降ってくる



この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

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