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2025年2月の6件の記事

2025年2月28日 (金)

YAMAHA U3H 1976年製 で、コチャルスキの「前奏曲集 op.65」から第6番 ロ短調 を

1976年製の YAMAHA U3H で、コチャルスキの「前奏曲集 op.65」から第6番 ロ短調 を弾きました。いつものピアピットでクリーニング&再調整でバッチリよみがえってますよ〜💪
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/321562

ごくごく普通の黒いYAMAHAで安心安定であると同時に、製造から50年も経つと履歴の個体差の方が圧倒的に優勢になってまるで違う芸風のピアノになるのが実に愉しいです(*´-`)

ラオル・コチャルスキ/Raoul Koczalski(1885-1948)という名前はいにしえの巨匠ピアニストマニアが密かに愛でていた存在ですが、ようやっとピンと来る方が増えてきた印象があります。4歳で舞台デビュー、5歳から作曲を始めて7歳までに40を越える作品を書くなどの正真正銘の神童でした。その才能に、かのショパンの高弟カロル・ミクリ/Carl Mikuli(1819-1897) が「私はこの少年にショパンから教わったことを全て伝える!」と1892年から4年間、徹底的に「仕込んだ」のでした(そのレッスンがホントに大変だった、とコチャルスキは告白してます😅)。

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

2025年2月23日 (日)

中島みゆき 作詞/作曲『倒木の敗者復活戦』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

本日2月23日は中島みゆきの誕生日でございます。
中島みゆきの『倒木の敗者復活戦』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました(*´-`)
*ワタクシの編曲譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/320080

『倒木の敗者復活戦』は2012年10月にリリースされたアルバム《常夜灯》に収録されています。この1年半前にあの恐ろしい東日本大震災が起こっており、この曲は東北へのエールではないだろうかという指摘が相次いだとのこと。これについて、中島みゆき本人は2016年11月リリースのアルバム《中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』》のライナーノーツで

 あまりにも悲惨だった東日本大震災は、私の作品に於いても、発表を控えたり、表現を変更せざるを得ない事態が、いくつか起きた。そんな中で、逆にこの曲の「倒木の」が「東北の」と、聞き取れるとして、受け入れていただく結果になったのも、大震災の影響の一つであったと思われるが、それはそれで否定するまでもないと考えている

と述べています。

どんな分野であれ、ひとたび作品として世に出されたものは容赦ない評価、理不尽な扱い、誤解、曲解などなど、それこそありとあらゆる形で作者の意図と異なる受け取り方・扱いをされるものでして、表現者たるものその全てを否定せず受け入れねばならぬのが定めであり、なんだかんだ言ってそれこそが多様性を育んできた一面がございます。ただど〜も昨今、その方向性が知ろうとしない故のデタラメに変質してきて多様性を育みづらくなっているような気が致しますが、まぁこんなコト思うのは老害な証拠さねwww

さて不肖ワタクシ、2016年11月に『愛される花、愛されぬ花』をアップしてから8年ちょい、今回の動画で1894年製ベーゼンドルファー(など)で弾く中島みゆきシリーズが100曲となりました。中島みゆき唯一無二の個性たるCONTRALTOな低〜い声域は鍵盤楽器では埋もれやすい音域で1オクターヴ上げて編曲されてしまうのが常。それが不満でここしばらく自分で編曲しているのですが、めっっっちゃ嬉しいことに楽譜が欲しいという声がときどき届きましてな。この100曲めの機会を逃すなと関係各所からハッパかけられてwくっっっそ重い腰を上げ、お馴染みiPad用楽譜ビューアー「Piascore」の楽譜販売サイトで販売怪始です。まぁナメクジの歩みでのんびりとゆコトで屋号は『楽譜舎エスカルゴ』、今回は怪店記念のお祭りで『ヘッドライト・テールライト』『地上の星』『倒木の敗者復活戦』『雨が空を捨てる日は』の4曲リリース、どうぞよしなに〜🐌🐌🐌🐌
*楽譜舎エスカルゴ
https://store.piascore.com/search?c=1911

 打ちのめされたら 打ちひしがれたら
  値打ちはそこ止まりだろうか
  踏み倒されたら 踏みにじられたら
  答はそこ止まりだろうか


負けても負けても喰らいつけという高度経済成長期な根性論なハズもなくw、この疑問形に仕組まれているのは<そこ止まりだろうか(いや、そうではない)>という「反語」であります。たまたまにせよ必然にせよ失敗や挫折のない人生なんて自分を偽らない限りは存在せず、犯罪を犯していない限りは一個の人間として尊重されるのが人の道だと思うのですが、いまだにいわゆる「出世」の道から外れる者を見下しバカにする傲慢な方々って少なくないよなぁと感じています。まぁたとえそのような方々にそのような扱いを受けたところで<値打ちはそこ止まりだろうか><答はそこ止まりだろうか>、いや、そんなハズはございませぬ!

 光へ翔び去る翼の羽音を 地べたで聞きながら

おなじみの対語法、ここでは<>と<地べた>ですね。樹木とは高く天を目指す存在の象徴でしょうが、それがひとたび<倒木>となると、<打ちのめされ><打ちひしがれ>て<踏み倒され><踏みにじられ>る存在の象徴へと変わってしまうというところ、単なる言葉の綾というにはな〜かなかに厳しく人生を照らしていると思います。一寸先は闇でござるよ💦

 望みの糸は切れても 救いの糸は切れない
  泣き慣れた者は強かろう 敗者復活戦


ハ長調で始まって<地べたで>でチラッとフラットを見せておいてのここでのシャープ3つのイ長調への転調、グッと来ますね〜。歌詞と同時にガラッと前向きの空気に滑り込むのはまさに調性音楽の妙で、歌詞を原理的に持てない鍵盤楽器ではこのような箇所こそが試金石。過不足なくヤレばイイのは確かで、そう指摘するだけなら理解していない方でも可能ですが、ま〜コレが、たいてい、どっちかに偏っちまうんですわ〜😅

 あざ嗤え英雄よ 嗤うな傷ある者よ
  傷から芽を出せ 倒木の復活戦


英雄>は他者をあざ嗤ってもまぁ英雄のままでいられましょうが、<傷ある者>が他者をあざ嗤っては自らをさらに貶めるばかりです。<傷ある者>にとっては、その傷こそが復活そして再生、転生のきっかけ。切り倒された切り株の傷からは芽が出ますし、乾燥して何年も眠りについていた種子の固い皮からも傷をつけて水分さえ吸わせてやれば案外と芽が出ます。一般的に<敗者復活戦>とは他者との戦いですが、人生における<復活戦>とは<>に象徴される痛手のような何かをきっかけとして自ら動き出す、自らとの戦いでもありま〜す😤

 望みの糸は切れても 救いの糸は切れない
  泣き慣れた者は強かろう 敗者復活戦


あらためてこの2行、応援ソングとして見事に奮い立たせてくれますよね〜。<救いの糸>という<望みの糸>が切れてナイぢゃねぇかと論理的wに突っ込むのはヤボ、ココは対語法の妙を愉しむトコね。いくら<復活戦>が自らとの戦いであるとはいえ、小さき個人の力ではどうにもできずに<望みの糸>が切れたと感じる状況に陥ることだってあるでしょうよ。何度も痛手をこうむれば、もちろん強くはなりますが、倒れてしまうことだってありますもんね。そのようなときでもどこかしらに「糸口」があるものと信じなくては倒れたままなワケで、まぁそれもまた人生ではありますが、起き上がりたい人にとって<救いの糸は切れない>という言葉は力になりますね〜。

 傷から芽を出せ 倒木の復活戦



この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

2025年2月20日 (木)

SCHWESTER/シュベスター No.53 1973年製 で、ケルンラインの「青年時代の思い出, op.6」から第1曲『朝の挨拶』を

SCHWESTER/シュベスター No.53 1973年製 でケルンライン「青年時代の思い出, op.6」から第1曲『朝の挨拶』を弾きました。例によってのピアピットの楽器ですぜ(*´-`)
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/320291

SCHWESTER/シュベスターはよく知られた国産ピアノで、日本のピアノ製造は浜松周辺が中心でしたがそれ以外で作られていなかったワケではなく、東京蒲田で1929(昭和4)年に創業した協信社ピアノ製作所で作られていたのが、このシュベスターというブランド、日本が誇る老舗の一つです。1958年に名称をシュベスターピアノ製造に名称変更、1978年に浜松近くの磐田に拠点を移転して1981年に社名をエスピー楽器製作所と変更して現代に至ります。フレームの払拭で残念ながら新品の製造は止めてしまいましたが、厳選された材料で手堅く作られており、名品のほまれ高いブランドです(*´-`)

作曲のケルンライン/Justus Körnlein(1802-1866)はいくつかの作品が残されていて生没年もおおむねわかっているようですが、10歳のときにニュルンベルクにいたという情報以外は見つからないんですよね〜(・o・ゞ

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

2025年2月17日 (月)

春爛漫の南房総

花の季節にはまだ早い東京ですが、バスセンター東京八重洲から2時間半の南房総で菜の花を愛でてきましたぞ✨

f5.6 1/800sec. (ISO125) 2025.2.17.
 Camera: PENTAX Q
 Lens: Dallmeyer Anastigmat 1inch F3.5(C-mount)
Imgp7793s

南房総って奥まっている印象が強くて心理的距離が遠くw、片道2時間半とはいえ重〜い腰がなかなかアガらなかったのですが、やっぱり行ってよかったですわ〜。

f5.6 1/400sec. (ISO125) 2025.2.17.
 Camera: PENTAX Q
 Lens: Dallmeyer Anastigmat 1inch F3.5(C-mount)
Imgp7786s

今回持って行った鏡玉はおそらく戦前の16mmフィルム撮影機用、英國はダルメイヤー社の Dallmeyer Anastigmat 1inch F3.5 で、柔らかくもヌケの良さがゴキゲンでございました。

Dallmeyer Anastigmat 1inch F3.5(C-mount)
Img_0834s

2025年2月15日 (土)

Kohler & Campbell/コーラー&キャンベル KC-244F 2007年製 で、コプチンスキーの前奏曲 変ホ長調 を

2007年製の Kohler & Campbell/コーラー&キャンベル KC-244F で、コプチンスキー/Janusz Kopczyński(1831 or 1838 (September?) — after 1883 (?))作曲の前奏曲 変ホ長調 を弾きました。例によっての ピアピット の入荷品です(*´-`)
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/319006

Kohler & Campbell は1894年ニューヨーク創業のアメリカの老舗ですが、例によってというべきか1991〜1997年にはサミックU.S.A.で生産され、その後この個体も含めてサミックIndonesiaで生産されていました。ごくフツーの現代のピアノと申してよろしいと思います。

作曲のコプチンスキーの情報は例によって極めて少ないですが、ウクライナ生まれ、パリに出てかのアルカンに師事して頭角を表したとのことです(・o・ゞ

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

2025年2月 9日 (日)

PETROF/ペトロフ P100 III Barok 1995年製 で、コスの即興曲 op.15-1 を

1995年製の PETROF/ペトロフ P100 III Barok で、コス/Henning von Koss(1855−1913)作曲の即興曲 op.15-1 を弾きました。例によっての ピアピット の入荷品です(*´-`)
*楽譜はこちらから入手できます
https://store.piascore.com/scores/319622

1995年製の PETROF/ペトロフ P100 III Barok です。ペトロフはご存知チェコの老舗ピアノメーカー、共産主義時代に国有化こそされましたが幸いにも創業者一族の権利が完全に奪われることはなかったそうで、ベルリンの壁崩壊後の再発展はめざましいものがあります。1995年当時はまだアクション部が洗練されておらず現代のような明晰なタッチではございませんが、高さたった105cmの小さな共鳴箱にもかかわらず音色と響きの美しさは格別ですぞ✨

作曲のコスについての情報は例によってほぼ全くございませんが😅、作品のほとんどが歌でごく僅かにピアノ曲も書いていたようです(・o・ゞ

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

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