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2024年5月27日 (月)

中島みゆき 作詞/作曲『噂』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

中島みゆきの『噂』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました(*´-`)

『噂』は1986年にリリースされたシングル《あたいの夏休み/噂》のB面の曲で、シングルのみでアルバムには入っていないというワリとレアな曲です。世の中には案外と「B面マニア」が根強く存在していまして、そんな方々の中でこの曲もまた知る人ぞ知るクセ曲であるようですぞ〜💡

 答えづらいことを無理に訊くから 嘘をついてしまう ひねくれちまう
  ほら すれ違いざま飛礫のように 堅気女たちの ひそひそ話


主人公はどうやら堅気でないようで、そりゃ〜<答えづらいこと>ばかりでしょうよ。そして「ひとの口に戸は立てられぬ」と申しまして、一度広まってしまった噂は真偽を問わず止められないんですな。堅気でない女の宿命ではあるのでしょうが、それでも恋というヤツは容赦無く人を落とすのでしょう。な〜んという因果。

 悪いことばかり信じるのね 観たがるのは告白
  あなただけは世界じゅうで 刑事じゃないといってよ


イヤなことや悪いことは見なけりゃいい、無視すりゃいい、放っておきゃいい・・・というのはまぁご無理ごもっともではございまするが、これって実は心がか〜なり強くなけりゃできやしないんですよね。ブロックしてるイヤなヤツに対して、見なきゃイイのにそいつが書き込んでるのを見つけるまで検索し続けてしまうとか、誰しも思い当たるフシがあるのではないでしょうか😅💦

 外は5月の雨 噂の季節 枝のように少し あなたが揺れる

五月雨(さみだれ)は「しとしとと降り続く雨のようにダラダラと続いてしまう状況」を表す比喩表現で実は<5月の雨>ではなく梅雨の長雨なのですが、まさか中島みゆきがそれを知らぬハズはなく、一般人に対してわかりやすいイメージを使ったのだろうなぁと。噂がくすぶっていてそれで心が揺れてしまう<あなた>の描写で、これぞ中島みゆきのレトリック。5月の雨>という単語を使って言い知れぬ不安を描き出すという、まぁフツーっちゃフツーなのですが、まことに美しいです

 噂なんて きっかけにすぎない
  どこかで この日を待ち望んでたあなたを知ってる


・・・い〜やちょっと待てぃ。このどんでん返しも中島みゆきらしいっちゃらしいですが、ど〜しようもなく卑怯なダメ男ですやん。堅気でない女の周辺にうごめく男どもなんてぇヤツらはそんなもんだろうなと思いつつ、肝心なところで逃げを打つのは女ではなく男の方、という図式も確かにあるんですよね〜。悪い噂に便乗して別れる口実を作りたがっている卑怯な男、わりとそのへんにフツーに転がっていそうな😑

 私たちの歌を酒場は歌う 気の毒な男と 猫かぶり女
  目撃者は増える 1時間ごと あなたは気にしだす 半時間ごと


酒場で隣り合うワケあり風情な男女の姿、それを横目で気にしつつ興味シンシンな傍観者たち、そして周りを気にするのは男の方ばかりなり。絵に描いたような緊張感ですねん。

 何もなかったと言えば 疑う心に火を注ぐ
  何かあったとからかえば ほらやっぱりとうなずくの


いやはや、コレ、まさに教科書的(ナンの教科書だろw)な疑心暗鬼の構造ですね〜。「疑う」という心はまったくもって始末に追えないシロモノで、疑いを晴らそうとすればするほど「ほらやっぱり隠してる」となりますし、それを面倒と思ってテキトーに肯定とも否定ともつかぬようにしたところで「ほらやっぱりそうなんだ」となるんですわ。疑心暗鬼がいったん発動してしまうと、疑っている方は知ってか知らでか「ほらやっぱり」という疑っている内容の裏づけばかりを欲しがるようになって、真実を知りたいという気持ちがどこかにすっ飛んでしまうんですよね〜。

 外は5月の雨 どこへ行こうか 少し疑ってる男を捨てて

主人公は堅気でない女、そんなことには慣れっこだし自分の方から捨ててやるわよっ・・・と強がってはみたところで、そんなことは心にもないのはバレバレですな。はすっぱで軽いフリをして<どこへ行こうか>とうそぶいてみても未練タラタラ、まぁそれは相手の男にしても似たようなモンなのでしょうね〜。げにヤヤこしきは男女の仲なり😅

 外は5月の雨 どこへ行こうか 疑いたがってる男を捨てて



この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

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