中島みゆき 作詞/作曲『夢の京(みやこ)』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)
中島みゆきの『夢の京(みやこ)』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました(*´-`)
『夢の京(みやこ)』は今年2023年にリリースされた最新のアルバム《世界が違って見える日》ののラストを飾る曲で、それにふさわしくスケールが大きく力強く、中島みゆきらしさあふれる大曲ですよ〜。アルバム《世界が違って見える日》には「作者註」として手短な解説が『心月(つき)』と『夢の京(みやこ)』の二曲分つけられており、これは自作を解説することを意識的に避け続けてきた中島みゆきにとって、極めて異例のことです。
<(前略)でも私は、「京(みやこ)はもう無くなってしまったけれども、京(みやこ)の設計図を私たちは夢の中に、いつも確かに持ち続けるだろう。どんな暴力も、夢まで奪うことはできない。だから、未来を怖れる必要はない」と、歌いたいと思います。>(アルバム《世界が違って見える日》作者註2)
いやはや簡潔明瞭、これを作詞作曲者本人に語られてしまっては、ワタクシごときがナニ言っても蛇足にしかならないです。3番の歌詞がこれまた示唆に富んでおり、そのまま引用いたします。あなたの京(みやこ)はどこに?
<樹々は歌う 水は歌う なのに人は なのに人は
欲の轍に轍を重ね 自らを埋ずめてゆくの
夢の京(みやこ)へ帰ろう もう無い国へ帰ろう
時は戻らない 夢は戻れる 怖れることはない
怖れることはない>
この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。
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