Hauptmann Jr./ハープトマンジュニアーで、シベリウス「10のバガテル, op.34」から第10曲『Souvenir/思い出』を
この Hauptmann Jr.(ハープトマン・ジュニアー)なるピアノはなんと戦前の日本製、松本楽器から経営権を取得した(乗っ取ったという解釈にも説得力アリ💦)銀座の山野楽器が日本楽器製造株式会社(現:ヤマハ)の横浜工場に生産を委託して販売していたピアノです。そしてさらにヤヤこしいことに、この横浜工場は日本楽器生え抜きの工場ではなく西川楽器を吸収した結果の工場ですので、西川の職人が西川の技術で日本楽器(ヤマハ)という名前がついた工場で作っていた山野楽器のハープトマン・ジュニアーピアノ・・・と判断するのが適切である気がします☝️
Hauptmann は獨逸弁では本来「ハウプトマン」という発音ですが、山野楽器のカタログには「ハープトマン」と記載されており、ネット上にまさにこの「ハープトマン・ジュニアー」の宣伝用マッチ箱の資料も転がっていてノケぞりました(売価550円也)。従って、歴史資料という観点では「ハープトマン・ジュニアー」というカタカナ書きが正しくなってしまうという、まぁ、ナンつ〜か、ムツカシござる。いやはや、世間はホントに広い😳
*ハープトマン・ジュニアーピアノ(blog:マッチのけむり)
https://tokyomatchbox.blogspot.com/2022/04/blog-post_05.html
この個体は例によってのピアノ修理工房ピアピットのオーバーホール&再塗装で美しくよみがえっていますが、さすがに90歳くらいのお年寄りですから強いタッチでがっつり鳴らすのは無理っぽそうです。いかにも戦前の楽器という感じで重く豊かな鳴りが個性的で、お年寄りに対する礼儀作法をわきまえた上で落ち着いて音楽と向き合うためにはおもしろそうなピアノですよ〜。
*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html
曲は、シベリウス(1865-1957)の「10のバガテル, op.34」から第10曲『Souvenir/思い出』です。北欧の音楽はなんでもかんでも「澄んで冷たげな空気感を伴った楽曲」だと思ってはなりませぬ。シベリウスはさまざまなスタイルのピアノの小品を書いており、これはいかにもシャレオツなサロン風味な曲ですね〜。
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