フォト

カテゴリー

« 2023年5月 | トップページ | 2023年7月 »

2023年6月の6件の記事

2023年6月29日 (木)

中島みゆき 作詞/作曲『バス通り』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)

中島みゆきの『バス通り』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました(*´-`)

『バス通り』は1981年にリリースされたアルバム《臨月》の一曲で、B面のトップを飾っています。爽やかな曲調でいかにもこの時代なの歌詞は未練タラタラのオンナの独り語り・・・という、さぁすが失恋ソングの女王っぷりを如何なく発揮している秀作と思います。この『バス通り』の歌詞ってば語感がやたらと美しく、失恋のほろ苦さがより一層際立っているような気がするんですね〜。

 昔の女を だれかと噂するのなら
  辺りの景色に気をつけてからするものよ


爽やかなイントロからこの穏やかならざる歌い出しで一瞬で聴き手の期待感をガッツリつかむのがさすが、B面のトップを飾っているのもナルホドであります。

 まさかすぐ後ろの ウィンドウのかげで
  いま言われている 私が
  涙を流して すわっていることなんて
  あなたは 夢にも思っていないみたいね


も〜なんと言うかね、期待を裏切らない安定の失恋シチュエーションですな。この中島みゆきの場面設定の妙、偶然を装っているにしても、マジひでぇやwww

 バスは雨で遅れてる
  店は歌が 止まってる
  ふっと聞こえる 口ぐせも
  変わらないみたいね それがつらいわ


ここで情景がはっきりしますね〜。バス停の横の喫茶店、主人公は店の中、主人公をフッたオトコが今の彼女と遅れているバスを待ちながら主人公の噂話をしているのが店のBGMが止まっているせいで丸聞こえ・・・ですか、う〜む。

 時計をさがして あなたが店をのぞくまで
  私は無理して 笑顔になろうとしてる


そう、1981年当時には携帯電話なんぞ影も形も存在せず、腕時計かそのへんの店をのぞいて時間を知るという時代でした。この表現、店をのぞいて欲しい気持ちとなかなか笑顔になれない気持ち、という主人公の未練と寂しさがないまぜになってなんとも複雑な心持ちですね〜。

さて2番。

 古びた時計は 今でも 昔のように
  あなた待ちわびて 十時の歌を歌いだす


次第にフラれた時のシチュエーションが鮮明になってきました。彼はひょっとしたら九時の待ち合わせに来なかったのかも知れないですな。

 小指をすべらせて ウィンドウをたたく
  ねえ 一年半遅刻よ
  あの日はふたりの時計が違ってたのよね
  あなたはほんとは待っていてくれたのよね


フラれたのは一年半前のこと。喫茶店の中と外で内側からしかも小指でウィンドウを叩いても外側に聞こえるハズもなし、時計の合わせ違いというシチュエーションを無理やり作ってしまう主人公、これは哀しいぞ切ないぞ。

 バスは雨で遅れてる
  店は歌が流れだす
  雨を片手でよけながら
  二人ひとつの上着 かけだしてゆく


遅れていたバスが見えたのでしょうね。ふたりがいかにも仲が良さそうにバス停に駆け出す様子で、一年半前の「あの日」への想いに耽っていた主人公に現実が突きつけられた瞬間。情景が目に浮かぶような寂しくも美しい一節ではございませんか。

 ため息みたいな 時計の歌を 聴きながら
  私は ガラスの指輪をしずかに落とす


「ガラス」で「落とす」ものと言えば、なんといってもシンデレラの靴であります。シンデレラの靴は自分を探してもらう手がかりのために落とされた存在ですが、この『バス通り』で最後に主人公が落とすのが<ガラスの指輪>とはこれまた切ない。指輪とはつながりの象徴で<ガラスの指輪>は落とせば壊れてしまうのは当然の成り行き、<時計の歌>が<ため息>に聴こえてしまう主人公の静かな諦めの気持ちが二重にせまってきますね。それにしてもなんてことのないフツーの言葉からこのような美しい情景を紡ぎ出せるのは、やはり才能のきらめきでしょう。それだけに哀しさ切なさが一層際立つ、B面の佳曲としての存在感バツグンですね〜。



この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

2023年6月27日 (火)

Topogon 1.3cm F3.5(1942, Movikon K16) & PENTAX Q@多摩川台公園

本日(6/27)、そろそろ暑くなってきてアジサイもおしまいだろうなぁと思って薄曇りだったらイイなぁ・・・と多摩川台公園までアジサイ見物に出撃〜。ピンクの花はさすがに茶色くしおれかけていましたが、青の花はまだまだみずみずしくて。さすがに蒸し暑かったですけどw

f5.6 1/200sec. (ISO400)
 Camera: PENTAX Q
 Lens: ZEISS Topogon 1.3cm F3.5(1942)
Imgp6504s

せっかくの超広角 Topogon なのに写真機本体が PENTAX Q なので中望遠になってしまってチト残念だったりもしますが、ぐ〜っと寄ってみたところさすがのツァイスのしっとりかつ明晰な写りに仰天でございましたぞ。

f5.6 1/200sec. (ISO400)
 Camera: PENTAX Q
 Lens: ZEISS Topogon 1.3cm F3.5(1942)
Imgp6505s

やはり撮像素子が小さい PENTAX Q には、戦前カールツァイスの16mmムービー用の鏡玉はベストマッチですナ✨

Img_3505

2023年6月23日 (金)

HUPFER/フッペルのアップライトピアノ(1927年製)で、ベートーヴェン『ピアノソナタ第14番, op.27-2(月光)』第1楽章を

実話をもとにしたフィクション小説『月光の夏』(1993年)そして同年封切りの映画『月光の夏』の中で、太平洋戦争末期にある特攻隊員が出撃地に配属させられる前に是非にと弾いたピアノのメーカー、HUPFER/フッペルのアップライトピアノ(1927年製)で、ベートーヴェン『ピアノソナタ第14番, op.27-2(月光)』第1楽章を弾きました

・・・まぁ史実としてピアノを弾いたのは特攻隊員でなく特操2期の少尉でこの部分は創作なのですが、それを殊更にあげつらうのは野暮w

このアップライトピアノは、大学教授だった方がフランスにいる時に奥様へのプレゼントとしては購入されて戦前に日本に持って帰られたものです。その息子さんから10数年前に引取の話がありその後亡くなられ、遺言にこのピアノはぴあの屋ドットコムへ、とあり、娘さんから連絡あって届いた、何重にも思いの詰まったピアノです。このようなピアノの修復はやはりピアピット、とのことで依頼を受けたという経緯です。

*ぴあの屋ドットコム
https://www.pianoya.com/

このピアノは少なくとも一度オーバーホールされており、木目仕上の上に黒塗装がされていてその塗装に盛大にヒビが入っています。それでも比較的安定していましたので、修復前の音をどうぞ!

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

2023年6月17日 (土)

Topogon 1.3cm F3.5(1942, Movikon K16) & PENTAX Q@妙覚寺

本日(6/16)、薄曇りだったらイイなぁとの勝手な予想のもとによみうりランド近くの妙覚寺までアジサイ見物に出撃〜。

2023.6.16.
f5.6 1/100sec. (ISO400)
 Camera: PENTAX Q
 Lens: ZEISS Topogon 1.3cm F3.5(1942)
Imgp6450s

な〜んとまぁ昨日までの雨のせいか(おかげか)空気中の細かいゴミがあらかた洗浄wされてしまったのかどうだか、直射日光が強くてせっかくのアジサイのしっとり感な〜んぞ何処へやら😅

2023.6.16.
f5.6 1/250sec. (ISO400)
 Camera: PENTAX Q
 Lens: ZEISS Topogon 1.3cm F3.5(1942)
Imgp6455s

このコントラストの高い光の中、戦前カールツァイスの16mmムービー用の Topogon 1.3cm F3.5 はなかなか頑張ってくれました。戦前独逸の ZEISS 恐るべし!

Img_3505

2023年6月 9日 (金)

APOLLO A120 PIERRE(ピエルレ)2005年製 で、ボエルマンの『インプロヴィゼーション集, op.28』から、第8曲を

例によっての ピアピット のピアノ、2005年製の APOLLO A120 PIERRE アップライトピアノで、ボエルマン『インプロヴィゼーション集, op.28』から、第8曲を弾きました。APOLLOはワリとどこにでもあるようなごく普通のド中堅国産ピアノ、入荷することも多く比較的リーズナブルに提供される場合も少なくありません。

PIERREはカタログ上「ピエルレ」という表記で、仏蘭西弁で「宝石」の意味です。小ぶりなボディに職人手彫りの彫刻をふんだんにあしらった高級インテリアピアノ、という謳い文句で紹介されていました。この個体は独特の華やかさがあるように感じます。

*ピアノ工房ピアピット(千葉県印西市)
ピアノは本気で直せば古いピアノでも必ずよみがえります
http://www.piapit.com/repair.html

ボエルマンはオルガン方面で有名なフランスの作曲家で、ご多分にもれずにオルガニストでありピアニストでもありました。この作品、単純さとおふらんすな洒脱さとを兼ね備えた短くも愛すべき曲ですよ〜(・o・ゞ

2023年6月 2日 (金)

遠州楽器制作株式会社、ENSCHU E150 新品で、タレンギ『魚獲りの唄, op.47-1』を

遠州楽器制作株式会社、ENSCHU E150 新品グランドピアノで、タレンギ『魚獲りの唄, op.47-1』を弾きました。

遠州楽器制作株式会社は、日本の新しいピアノメーカーです。かつて日本では浜松を中心として百社以上のピアノメーカーがありましたが、現在は最大手以外はほとんど全滅して日本のピアノ制作の伝統が途絶えてしまったかに見えますが、ぎりぎりのところで踏みとどまったのが何よりも嬉しいことと思います。MADE IN HAMAMATSU の誇りを持って、安かろう悪かろうでなく「柔らかく美しい音色のピアノ」を作り続けようというその意気や良し!
・遠州楽器制作株式会社: https://enschu-gakki.co.jp/

Mario Tarénghi(1870-1938)はイタリア北部はベルガモ地方出身のピアニスト&作曲家です。結構な数のピアノ曲や劇音楽を作曲したようですが、資料が乏しくて往生してます。故郷ベルガモの出版社だけでなくドイツの出版社による楽譜もちらちら見つかり、この動画の『魚獲りの唄/Song of the Fisherman, op.47-1』は1909年にニューヨークのシャーマー社からいくつかの作品番号を横断wさせた「Four Drawing-Room Pieces」として出版された第1曲めです。いかにも舟歌な6/8拍子でメランコリックな歌が好ましい佳作ですよ〜(・o・ゞ

« 2023年5月 | トップページ | 2023年7月 »

2024年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

最近のコメント

無料ブログはココログ