BELTONのアップライトピアノFU33W(1976年製)で、ブラムバッハ「Acht Vortragsstücke, Op.69」の第7曲め『Romanze/ロマンス』を
Carl Joseph Brambach(1833-1902)による「Acht Vortragsstücke, Op.69」の第7曲め『Romanze/ロマンス』を、昭和51年(=1976年)納入調律という調律カードが入ったBELTONのアップライトピアノFU33W(Serial No. 303xx)で弾きました。なお、BELTONという綴りから「ベルトン」と表記されることも少なくないですが、最後期の従業員から直接「ベルトーンだった」という証言が得られていますぜ。
このピアノ、形式が「FU33」でウォルナット仕上げなので「W」が付けられているんだろうなぁと推測。この個体は某教会の所有で、調律カードによると2002年までは数年おきに手を加えられていたようですがそれから20年近く放置されていた由。そのワリには状態がまともで調律しただけでそれなりに豊かな響きが蘇ったのが僥倖で、2023年4月1日にごく小規模で行ったミニコンサートの実況録画でございます(*´-`)
BELTONは古き佳き時代の国産ピアノ、日本のピアノ製作のメッカであった浜松の冨士楽器/ベルトーンピアノ研究所で作られています。このベルトーンという名称は芸大教授でピアニストであったレオニード・クロイツァー/Leonid Kreutzer(1884-1953)氏によるもので、このピアノの鋳物フレームには誇らしげに<"BELTON" NAMED BY PROF. LEONID KREUTZER>と鋳込んであります。また、古い時代のBELTONの鋳物フレームで<MANUFACTURED SINCE 1937>と鋳込んである写真がネット上には複数転がっております。BELTONは「国産ピアノの中でとりわけ音色が良い」という定評はあるようですが、かたや「修復にエラく手がかかる」という評価もあるようで、まぁありがちなバラつきなんだろなぁというのがワタクシ個人の見怪でございます。とりわけ、楽器とはもともとの質よりもナニよりも「履歴の個体差」の方が圧倒的にモノを言いますからね〜。
作曲のBrambach/ブラムバッハ(1833-1902)はボンの近郊に生まれてケルン音楽院で学び、生涯の大部分をボンで過ごした音楽家です。例によって作品のほぼ全てが忘れ去られており、な〜んとYouTube上にもほとんど作品が見当たりません。作品番号はどうやら117まで、この動画の「Acht Vortragsstücke, Op.69」は1888年にライプツィヒの F.E.C. Leuckart社から第1集4曲第2集4曲のセットで出版され、この『Romanze』は第2集の3番めですので7曲めという計算になります。
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