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2023年1月14日 (土)

ヘルマン・ネッケ『夜のケーニヒス湖上散歩, op.241』を、1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

ヘルマン・ネッケ/Hermann Necke(1850-1912) という名前でピンと来る方はもはや少なくなってしまったかも知れませんが、あの(懐かしのw)運動会の定番ちぅの定番『クシコス・ポスト』の作曲者でありま〜す。この曲『Nachtfahrt auf dem Königssee/夜のケーニヒス湖上散歩, op.241』は1892年にライプツィヒで出版されており、まさにそのタイミングである1894年にウィーンで作られたベーゼンドルファーで弾く音色には史料的価値があると思いますよ〜(*´-`)

さてこの曲はおそらく録音されておらず、当然ながら出来合いの邦訳があるハズもございませぬ。Nachtfahrt は Nacht(夜)+ fahren(乗り物で移動する)が名詞になったみたいなモンwで、auf dem は「〜の上(on the ですナ)」、そして Königssee はザルツブルクの南のドイツがオーストリアにぐいっと食い込んでいる場所に位置している山に囲まれたまことに風光明媚な湖で湖上遊覧が有名・・・と思いきや、Neckeが生涯を過ごしたドイツ西部のDürenの近郊にも小さくて素敵な Königssee がありまして、どのケーニヒス湖なのかはわからんというwww

ともあれ、獨逸弁の『Nachtfahrt auf dem Königssee』は直訳すると『ケーニヒス湖上での夜間移動』となりまして、さらにこの曲には「Barcarolle」という標記があることから、夜のケーニヒス湖で舟遊びしている様子を詠んだのだろなぁと。「ケーニヒス湖」という固有名詞に邪魔されてイカした邦訳をヒネり出しにくいですが、まぁ『夜のケーニヒス湖上散歩』とでも申しましょうかという流れでございました(・o・ゞ



この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

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