BELTONのアップライトピアノFU33W(1976年製)で、ゴダール「20の小品, Op.58」の第6曲め『Petit canon/小さなカノン』を
Benjamin Godard(1849-1895)による「20の小品, Op.58」の第6曲め『Petit canon/小さなカノン』を、昭和51年(=1976年)納入調律という調律カードが入ったBELTONのアップライトピアノFU33W(Serial No. 303xx)で弾きました。なお、BELTONという綴りから「ベルトン」と表記されることも少なくないですが、最後期の従業員から直接「ベルトーンだった」という証言が得られていますぜ。
このピアノ、形式が「FU33」でウォルナット仕上げなので「W」が付けられているんだろうなぁと推測。この個体は某教会の所有で、調律カードによると2002年までは数年おきに手を加えられていたようですがそれから20年近く放置されていた由。そのワリには状態がまともで調律しただけでそれなりに豊かな響きが蘇ったのが僥倖で、2023年1月21日にごく小規模で行ったミニコンサートの実況録画でございます(*´-`)
BELTONは古き佳き時代の国産ピアノ、日本のピアノ製作のメッカであった浜松の冨士楽器/ベルトーンピアノ研究所で作られています。このベルトーンという名称は芸大教授でピアニストであったレオニード・クロイツァー/Leonid Kreutzer(1884-1953)氏によるもので、このピアノの鋳物フレームには誇らしげに<"BELTON" NAMED BY PROF. LEONID KREUTZER>と鋳込んであります。また、古い時代のBELTONの鋳物フレームで<MANUFACTURED SINCE 1937>と鋳込んである写真がネット上には複数転がっております。BELTONは「国産ピアノの中でとりわけ音色が良い」という定評はあるようですが、かたや「修復にエラく手がかかる」という評価もあるようで、まぁありがちなバラつきなんだろなぁというのがワタクシ個人の見怪でございます。とりわけ、楽器とはもともとの質よりもナニよりも「履歴の個体差」の方が圧倒的にモノを言いますからね〜。
作曲のゴダールは映画監督として知られるゴダールとは別人、多作家の天才として鳴らし、かつては『ジョスランの子守唄』という誰もが知る通俗名曲の作曲者として知られていました。この『ジョスランの子守唄』は、オペラ『Jocelyn, op.100』の中の一曲で、戦前にはフツーに蓄音機で聴かれていたんですよ〜、YouTubeにも昭和6年吹込で藤原義江が近藤朔風の詩に乗せて歌っている音源が上がっています。
*遅めがこちら、高崎・アトリエミストラルの1905年製プレイエルです。
« シャミナード「Pièces humoristiques/ユーモラスなピアノ曲集, op.87」から第1曲『Réveil/目覚まし時計』を、1905年製プレイエル3bisピアノ(85鍵)で | トップページ | 中島みゆき 作詞/作曲『銀の龍の背に乗って』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵) »
« シャミナード「Pièces humoristiques/ユーモラスなピアノ曲集, op.87」から第1曲『Réveil/目覚まし時計』を、1905年製プレイエル3bisピアノ(85鍵)で | トップページ | 中島みゆき 作詞/作曲『銀の龍の背に乗って』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵) »
コメント