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2022年6月の4件の記事

2022年6月30日 (木)

中島みゆき 作詞/作曲『愛よりも』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)

中島みゆきの『愛よりも』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました。

『愛よりも』は、1988年発売のアルバム《グッバイ ガール》に収録されています。《グッバイ ガール》はちょうど音楽業界がLPからCDへとそれこそ雪崩をうったかのように総転換したタイミングで、LPはプレミア価格になってしまっているというイワクツキのアルバムでもありま〜す。え? ワタクシ? 数年ちょい前でしたが、うっかりほぼ新品同様のLP盤を手に入れてしまいましたよ〜。とほほほwww

閑話休題、この詩、ちょっと一筋縄では行かぬ強さそして厳しさを感じさせられます。ナニしろ、出だしからしてこうですからね〜。1番をどうぞ。

 人よ信じるな けして信じるな
  見えないものを
  人よ欲しがるな けして欲しがるな
  見果てぬものを
   形あるものさえも あやういのに
    愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われて
    愛さえも夢さえも 粉々になるよ


人間社会なんつ〜シロモノは生き馬の目を抜くがごとき権謀術数に満ちておるのはみなさまよ〜くご存知の通りでございまして、いわゆる<>として象徴される<見えないもの>を撹乱しようと手ぐすねひいて待ち構えているんですよね〜。ですが、ちょ〜っと待っていただきたい。それならば<形あるもの>って一体全体ナンなんざんしょ???

立場や条件が変われば解釈が変わる・・・なんつ〜のは政治屋連中の手のひら返しを思い出すwまでもなく、これまたみなさまよ〜くご存知の通りでございまして、っつ〜コトは、実は、我々が信じている<形あるもの>こそが<見えないもの>であったり<見果てぬもの>であったりするのではないでしょうか。さぁさぁ、ワカラナクなってまいりましたw

2番をどうぞ。

 嘘をつきなさい ものを盗りなさい
  悪人になり
  傷をつけなさい 春を売りなさい
  悪人になり
   救いなど待つよりも 罪は軽い
    愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われて
    愛さえも夢さえも 粉々になるよ


期待を裏切らぬ中島みゆきらしい毒な表現ですよね〜。ココでカギなのかなぁと思うのは<救いなど待つよりも 罪は軽い>の一節。<形あるもの>をよりどころとして待ちの姿勢で<救い>を願ったところで、そんなモンは所詮は<見果てぬ>夢なのではないでしょうか。1番で<信じるな>そして<欲しがるな>と喝破したにもかかわらず、2番では信じさせる側そして欲しがらせる側という<悪人>になりなさいと説く中島みゆき、わからんでもないですが、どないせぇっちゅ〜んじゃとwww

つまりは、ナニも考えず判断もしないままに漫然と生を送っていながら口だけは一丁前に「救いがねぇ」と文句ばかり垂れるような存在ではなく、たとえそれが世間から悪とされるようなことであっても自分が今信じるナニかに向かって突き進め、というめっちゃ厳しいエールなのではないだろうかなと。まぁコレってナニげにワタクシ自身にめっちゃ突き刺さってくるというのは内緒ヨwww

3番をどうぞ。

 星を追いかけて 月を追いかけて
  どこまでも行け
  黄金(かね)を追いかけて 過去を追いかけて
  どこまでも行け
   裏切らぬものだけを 慕って行け
    愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われて
    愛さえも夢さえも 粉々になるよ


>そして<>とは、1番の<見えないもの>そして<見果てぬもの>の隠喩でしょうね。さすれば、<黄金(かね)>そして<過去>とは、1番の<形あるもの>の隠喩でしょう。それらを追いかけてどこまでも行くときに慕うべき<裏切らぬもの>というのは、結局のところは世間一般的に正しかったり常識的だったり道徳的だったりする滅菌消毒された正論的存在な定型文w(書いててムシズが走るぞw)なんかではなく、それぞれが引き起こす間違いや過ちというそのひと独自の体験を支える矛盾に満ちたナニかなのではないでしょうか。

このように考えてみると実は、ナニも考えず判断もしないままに漫然と生を送るというのは案外と難しいような気がしますね〜。ただ現代ってホントにヨく仕組まれていて、全てを他人の判断に任せて自分にとって都合の良い「真実」だけを見ていても一生を過ごせるんですよね〜。所詮は一人で生まれてきた弱い人間ですから<人恋しさ>から逃れるのはなかなか難しいワケで、そこにつけ込まれると弱い自分なんぞ簡単に見失わさせられてしまうのでしょう。それにしても、この現代の状況を35年も昔の1988年に予見していたかのような詩を書いた中島みゆきが凄まじいのか、人間が懲りない存在なのか、まぁ両方なんでしょうね(*´-`)

 愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われ
  愛さえも夢さえも 粉々になるよ




この動画で使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

2022年6月25日 (土)

日本酒ライブ@小田原/しずく会

本日のリハの一コマ@小田原

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いつもあ〜変わらずお世話になりっぱなしの 柏木 真樹 氏との日本酒ライブ。二人とも立奏なのがポイントか😎

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最近の電子ピアノって案外と表現力豊かで、楽しい楽しい☺️

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2022年6月23日 (木)

デュフリ《クラヴサン曲集第3集》から『Les grâces/三美神』を、フレンチクラヴサンで

高円寺北口から10分程度の閑静な住宅地のど真ん中にある「ソフィアザール高円寺バロック」所蔵のフレンチクラヴサンを使って2022年5月28日に行った演奏会『バロック方面より風来たる ACT.4』のアンコール、デュフリ(1715-1789)《クラヴサン組曲第3集》から『三美神』です。

ここ「ソフィアザール高円寺バロック」のクラヴサンは多彩極まりない才人の永野光太郎氏が2018年末に納入した楽器でようやく3年半経った程度ですが、音響振動に対する反応が抜群に良く、いわゆるエージングが進むわ進むわでいつも仰天させられています。使い倒されるわけではない楽器でそれは非常に好ましいこと、そして反応が良いということはしばらくお休みしていてもとにかく「目覚める」のが抜群に速いワケで、あっという間に豪快な鳴りが戻ってくるのがたまりませんですわ〜 (`・ω・´)

・永野光太郎オフィシャルサイト
  https://oratokoratok.jimdo.com
・永野光太郎(Keyboard)&對馬佳祐(Violin)YouTubeチャンネル
  https://www.youtube.com/channel/UClZJOmnOvq_VoBxW9G1e5Tw

この動画で弾いているクラヴサンのモデルはパスカル・タスカンが1769年に製作した楽器でデュフリ晩年というタイミングの楽器、実はJ.S.バッハが亡くなったあとに作られているんですね〜。この時代のパリは既にジルバーマンタイプのピアノやスクエアピアノなど最初期のピアノが少なからず存在していまして、4年前の1765年には齡9歳の神童モーツァルトの手による『ヴァイオリンの助奏を伴うクラヴサンのためのソナタ」が op.1(K.6 & K.7) そして op.2(K.8 & K.9) として父レオポルドの手で出版されていたりします。

デュフリの《クラヴサン組曲第3集》の出版は1756年でなんとモーツァルトが生まれた年、デュフリの生きたパリはなんとも複雑な時代で、語り出すとエラいこっちゃなのでまぁこの辺でヽ( ̄▽ ̄)ノ

2022年6月 5日 (日)

BELTONのアップライトピアノFU33W(1976年製)で、メリカント『ワルツ・レント, op.33』を

フィンランドの作曲家、Oscar Merikanto(1868-1924)による『ワルツ・レント/Valse Lente, op.33』を、昭和51年(=1976年)納入調律という調律カードが入ったBELTONのアップライトピアノFU33W(Serial No. 303xx)で弾きました。

このピアノ、形式が「FU33」でウォルナット仕上げなので「W」が付けられているんだろうなぁと推測。この個体は某教会の所有で、調律カードを読み解くと2002年までは数年おきに手を加えられていたようですがそれから20年近く放置されていた由。そのワリには状態がまともで調律しただけでそれなりに豊かな響きが蘇ったのが僥倖で、2022年6月4日にごく小規模で行ったミニコンサートの実況録画でございます(*´-`)

BELTONは古き佳き時代の国産ピアノ、日本のピアノ製作のメッカであった浜松の冨士楽器/ベルトーンピアノ研究所で作られています。このベルトーンという名称は芸大教授でピアニストであったレオニード・クロイツァー/Leonid Kreutzer(1884-1953)氏によるもので、ピアノの鋳物フレームには誇らしげに<"BELTON" NAMED BY PROF. LEONID KREUTZER>と鋳込んであります。また、古い時代のBELTONの鋳物フレームで<MANUFACTURED SINCE 1937>と鋳込んである写真が複数転がっております。BELTONは「国産ピアノの中でとりわけ音色が良い」という定評はあるようですが、かたや「修復にエラく手がかかる」という評価もあるようで、まぁありがちなバラつきなんだろなぁというのがワタクシ個人の見怪でございます。とりわけ、楽器とはもともとの質よりもナニよりも「履歴の個体差」の方が圧倒的にモノを言いますからね〜。

なお、BELTONというロゴから「ベルトン」とカタカナ書きされることが少なくないようですが、最後期に働いていた方からカタカナ書きが「ベルトーン」だったという証言が得られました。皆さま、歴史は正しく伝えていただきたく存じます(*´-`)



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