モーツァルト『ソナタ K.7』第3楽章を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で
1763年11月30日にパリにて作曲、とされる当時7歳のモーツァルトによる「メヌエット ニ長調」を、その少し前の8月にアウグスブルクでモーツァルト家が入手した旅行用クラヴィコードの完全複製で弾きました。
この「メヌエット ニ長調」は、もともと父レオポルドが姉ナンネルの楽譜帳にヴォルフガングが作曲したと注釈をつけて鍵盤楽器のソロとして書きつけたもので、1764年3月に「作品1」としてパリで自費出版した『クラヴィーアのためのソナタ。 ヴァイオリンの助奏による演奏も可』2曲セット第2曲の第3楽章として使われています。この作品はケッヘル番号として「K.7」が与えられております。
神童時代(なんとな〜く12歳ぐらいまでかなぁ)の幼きヴォルフガング周辺の鍵盤楽器に「ピアノ」という楽器は含まれていなかったというのは資料に裏づけられた史実ですが、どうも見落とされがちなのが残念でなりません。実はこの時代のヴォルフガングに関係する資料で「ピアノ」という新しい鍵盤楽器とのつながりを示すものは皆無で、当時の状況を勘案すれば見た可能性ありという見解は推測以外のナニモノでもないんですよ〜。ピアノ以外ならナニ? と言われれば、そりゃもぅチェンバロであり、オルガンであり、そしてクラヴィコードでありま〜す。そしてチェンバロもオルガンも当時の馬車の旅で運ぶのは全く現実的でなく、旅の友としての鍵盤楽器は旅行用に特化して小さく頑丈に設計されたクラヴィコードだったのでした(・o・ゞ
ここで使っている楽器は筒井本人の所有、モーツァルト家の3年半に及ぶ「西方大旅行」の最初(1763年8月、ヴォルフガング7歳)にアウグスブルクのシュタインの工房で父レオポルドが入手した旅行用クラヴィコード(現在、ブダペスト、ハンガリー国立博物館所蔵)の忠実な複製です。
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