モーツァルト『K.4』(いわゆる「メヌエット へ長調」)を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で
1762年5月11日にザルツブルクにて作曲、とされる当時6歳のモーツァルトによる「ヘ長調の小品 K.4」を、その1年ちょい後の8月にアウグスブルクでモーツァルト家が入手した旅行用クラヴィコードの完全複製で弾きました。
この曲はもともと父レオポルドが姉ナンネルの楽譜帳に<1762年5月11日>の日付とともに書きつけており、このタイミングはザルツブルクの自宅だよね、という判断というワケです。この「ヘ長調の小品 K.4」は一般的には「メヌエット K.4」とされていますが、この時代の小品のほとんどはタイトルや速度表記がつけられていないので「メヌエット」と決めつけてしまうのはちぃとばかし疑問なんだけどなぁ・・・形はメヌエットなのでまぁいっかw。
神童時代(なんとな〜く12歳ぐらいまでかなぁ)の幼きヴォルフガング周辺の鍵盤楽器に「ピアノ」という楽器は含まれていなかったというのは資料に裏づけられた史実ですが、どうも見落とされがちなのが残念でなりません。実はこの時代のヴォルフガングに関係する資料で「ピアノ」という新しい鍵盤楽器とのつながりを示すものは皆無で、当時の状況を勘案すれば見た可能性ありという見解は推測以外のナニモノでもないんですよ〜。ピアノ以外ならナニ? と言われれば、そりゃもぅチェンバロであり、オルガンであり、そしてクラヴィコードでありま〜す。ザルツブルクのモーツァルト家にフォルテピアノが入ったのはようやく1780年ころ、なんとヴォルフガング20代前半というけっこう遅いタイミングだったことはなかなかに衝撃的ですぞ(・o・ゞ
ここで使っている楽器は筒井本人の所有、モーツァルト家の3年半に及ぶ「西方大旅行」の最初(1763年8月、ヴォルフガング7歳)にアウグスブルクのシュタインの工房で父レオポルドが入手した旅行用クラヴィコード(現在、ブダペスト、ハンガリー国立博物館所蔵)の忠実な複製です。
« モーツァルト『ソナタ K.6』第2楽章を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で | トップページ | モーツァルト『ロンドン・スケッチブック, K.15』から第1〜6曲を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で »
« モーツァルト『ソナタ K.6』第2楽章を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で | トップページ | モーツァルト『ロンドン・スケッチブック, K.15』から第1〜6曲を、モーツァルトの旅行用クラヴィコード(1763, J.A.Stein)の複製(2002年)で »

コメント