フランク『ハ長調とハ短調のための7つの小品』から第1曲を、1954年製ヤマハ5号リードオルガンで
昨日2021年7月25日のリードオルガンコンサート、しばらくこの5号オルガンを貸し出すことになったのがきっかけでした。せっかくなのでそのあとは動画収録タイムにするのがお作法でございまして。YAMAHAの5号オルガンという戦後まで長く作り続けられてそこら中に残っているモデルではありますが、この1954年製の楽器は木部が合板でなく無垢材の時代の生き残りです。
場所は小淵沢の別荘地の一角に2021年6月にオープンしたスペース「スタヂオぴーの」です。もとはブロンズの鋳造のためのしっかりしたスペースでそれをリフォームしたとのことで30人程度がゆったりくつろげます。天井が高く構造は頑丈、素直な残響が心地よくこれからの展開が楽しみですよ〜。
謙虚、善良、無欲、無私・・・というようなフランクの人となりは、えてして押しが強い(強すぎるw)芸術家のなかでも相当に異質だったフシがありまして。生前、オルガニストとしての名声はあったにしても作曲家としてはほぼ無視どころか軽蔑の対象にすらでなっていたようですが、声高に主張せぬその作品はまさに「孤高」と言うべき存在と思います。
そのフランクが最晩年に作曲し続け、その悲劇的な死(1890.11.8.)によって中断されてしまった、ハルモニウムのための曲集:『L'Organiste』の『ハ長調とハ短調による7つの小品』の第1曲です。いささか晦渋な一面も備えているのがフランクの作品ですが、この曲が入っている『L'Organiste』は、いかにも慎ましく敬虔で素朴なフランクの姿を見せてくれているような気がします。
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