フォト

カテゴリー

« スクリャービン『4つのプレリュード op.22』から第2曲を、1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で | トップページ | ベートーヴェン『ピアノソナタ第12番 op.26』から第3楽章を1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で »

2021年2月23日 (火)

中島みゆき 作詞/作曲『進化樹』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

中島みゆきの誕生日は本日2月23日、これに合わせて『進化樹』を、いつもの1894年製アンティークピアノで弾きました。

『進化樹』は、テレビ朝日系『帯ドラマ劇場・やすらぎの郷』の続編として2019年4月9日から1年にわたって放送された『テレビ朝日開局60周年記念・帯ドラマ劇場 やすらぎの刻~道』主題歌の1曲です。『やすらぎの刻~道』は前作に引き続き老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」のその後を描く【郷】編と、山梨を舞台に昭和~平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯を描いた【道】編の2層仕立て。当初は『進化樹』『離郷の歌』の2曲が主題歌に使われていましたが、【道】の物語が「平成」編に入るタイミングで『観音橋』『終り初物』の2曲が追加されています。

この一連の主題歌群はまず2019年にシングル盤《離郷の歌/進化樹》として2曲発売され、翌2020年の正月明け1月8日に発売が始まった中島みゆき43作めのアルバム《CONTRALTO》に全て収録されています。このアルバム発売開始と同じタイミングで中島みゆきは「最後の全国ツアー」と銘打って2020年の全国ツアーを1月12日にスタートしましたが折悪しく例の厄介な疫病の蔓延にともなう政府からのイベント開催自粛要請のため途中2月28日から中止を余儀なくされてしまいました。中島みゆきの68歳(!)の誕生日が2月23日で、直後2月26日の大阪公演を終えたタイミングでのツアー中止とは、なんだか自然が中島みゆきの全国ツアーを終わらせたくなかったんぢゃね? とすら思える展開に思えたことは白状しますが、う〜ん、まぁ、考えてみればコンサート自体ができなくなっているのでそれはどうなのよとw

 高い空 腕を伸ばして どこまでも咲こうとした
  めぐりあわせの儚さに まだ気づきもせず


『進化樹』はこのように始まります。すでに2行めで不穏な空気を漂わせてくれるところは、安定の中島みゆきクオリティ。この巨木は屋久杉か淡墨桜か、はたまた「この木なんの木」か、巨木って案外と近所の神社に「保存樹木」としてあったりしますね。環境省が「巨樹・巨木林データベース」を公開してますので、興味のある方はどうぞ。日本の巨木のトップクラスってクスノキやイチョウが多いんですよ〜。

 誰か教えて
  僕たちは今 ほんとうに進化をしただろうか
  この進化樹の最初の粒と
  僕は たじろがずに向きあえるのか


1番のサビはこうなっています。人類が個人でも集合体でもなにやらごちゃごちゃ頑張る営みって、時代が変わっても本質的にはな〜んにも変わってないんですよね〜。ホレ、中国の数千年昔の古文書に「最近の若いモノは」と書かれていたって言うぢゃあ〜りませんか(何か違うw)。それでも、自らの生を生き抜くためにもがき苦しみ、人との<めぐりあわせ>に活路を見出し、ウマく行ったと思ったらけつまづいたりして<儚さ>に涙する、ま〜なんとも人間って懲りない生きモノですわ ヽ( ̄▽ ̄)ノ

 踏み固めた道も薄れて また始めから荒れ野原
  人はなんて幼いのだろう 転ばなければわからない


同じ失敗を繰り返すのはアホだとはわかっていても、先人たちが身をもって懇切丁寧に道を示してくれていても、見えないときは見えないんですよね〜。転んだことにさえ気づかずにいることもままあったりしてほんっっっとにイヤになりますが、ここ10年くらいのSNSの興隆のおかげ/せいで、このような人間の愚かさそして醜さってつくづく無限大なんだなぁと思わされます。今般の厄介な疫病って、このようなおバカな人類に対する警告ではないかなぁと感じている人は少なくないと思うのですが、そこでどんなに崇高な人類愛を謳ったところで悪意ある権力/武力/経済力wに対しては無力なのもまた真実で。それだからこそ、せめて自らの近しい範囲でのささやかな幸福を愛でられるような心を大切にはぐくみたいものではございませんか。

 誰か聞かせて
  遥か昔へ 僕は 何を置いて来たのだろう
  何も知らずに 僕はひとりだ
  この樹の根は 何処に在ったのだろう


人類というこの懲りない存在をナゼ神は創り出したもうたのか、自分というこの醜く矛盾に満ちた存在がなんのために産み落とされたのか。人類が遥か昔へ置いて来てしまったのはナニか、<>は本当はナニモノなのか、これまた古来から優秀でメンドーな奴らが邪魔くさくw考え続けていることではございますが、いわゆる「業」やら「原罪」やらはそこを象徴的に提示しているんでしょうね。自らの根っこを見つけられたヒト、そしてその根っこを活かせたヒト、決して多くはいないと思いますが、中島みゆきがその中でもトップクラスの存在であることは疑いないでしょう。

「初心忘るべからず」と申します。出逢ったときのえも言われぬワクワク感って、それが日常となるにしたがってどうしても薄れてしまうもの。ですが、我々が活躍を目にできるほどの大きな存在は新しいワクワク感を感じる豊かさが日常であって、いわゆる「怠惰な日常」とは無縁なんですね。だからこそ到達できた高みを凡人である我々が享受できる豊かさをかみしめつつ、自分がワクワクと出逢ったときの心持ちを折に触れて思い出したいですね〜 (*´-`)

« スクリャービン『4つのプレリュード op.22』から第2曲を、1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で | トップページ | ベートーヴェン『ピアノソナタ第12番 op.26』から第3楽章を1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で »

コメント

筒井さんのブログは僕のリンク先に入れて頂いておりますが、カテゴリーやバックナンバーの一番下にあってたどり着くのが面倒でした。ここに管理画面もリンクされているのでブログの手入れが面倒なので、先日のパソコン教室で、上の方に移動してアクセスしやすくしました。
筒井さんのブログへのアクセスも増えればいいなと思っております。

さて、僕のパソコンの先生が中島みゆきのファンである事をお話しましたっけ?
ファンクラブの会員でもある大ファンです。筒井さんのブログも紹介しました。

何年か前の、パソコン教室は2月23日でした。「今日は誰の誕生日かご存知?」というので、「皇太子殿下(当時)」の誕生日でしょう」と答えたら、「中嶋みゆきの誕生日よ」と言われました。
小さなコンサート会場を併設している喫茶店でのホームページの面倒も見ているので、あそこで、ファンの皆さんたちと「中島みゆきのピアノ演奏会」をやったらとけしかけていますが、「私たち歌いたくなっちゃうので、大人しく聴いていられないでしょうね」との事でした。

昨日、カラオケ好きの方にさそわれ、先生と3人でカラオケを楽しみました。僕の歌うのは昔の演歌で(聴くのはクラシック音楽)、他の2人女性は最近の唄で、勿論中島みゆきの唄が沢山!
楽しい一時でありました。

クラブサン主体のLPレコードが、筒井さんのおいでを待っています。

モーツァルティアン488yさん
すっかりご無沙汰してしまいました。そう言えばレコードを聴きに伺わねばとお話ししていたのを、厄介な疫病に伴う面倒くさがり症発症wのため失念しておりました。すみません〜。
某宣言怪除のリバウンドが来る前に伺わねねばですね〜 (*´-`)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« スクリャービン『4つのプレリュード op.22』から第2曲を、1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で | トップページ | ベートーヴェン『ピアノソナタ第12番 op.26』から第3楽章を1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で »

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のコメント

無料ブログはココログ