王建中(1933-2016)《云南民歌五首》から第1曲『大理姑娘』を、100年前の豪華棚つきリードオルガンで
ボストン近郊の Bridgewater で1930年代始めまで頑張っていたパッカード社1905年製の大型棚つきリードオルガンを使って、主に上海音楽学院で活躍し、中国的なピアノ曲を数多く残した王建中/Wang Jianzhong(1933-2016)作曲の「云南民歌五首」から第1曲『大理姑娘/Dali Girl』を弾きました。
この手の大型棚つきリードオルガンは100年ちょい昔の北米にはごく普通にあった楽器です。これ、パイプオルガンに匹敵するくらいに派手に見えますが、実は普通のリードオルガンの上に豪華な装飾棚を載せているだけ(しかも意外と軽いw)なので、構造や機能自体は普通のリードオルガンと一緒と考えて差し支えないのでした。見た目で身構える必要は全〜然ないんですよ〜(・o・ゞ
中国のピアノ/鋼琴曲は各地に伝わる民謡を題材にしている曲がかなり多いようです。かの国の多様性がすさまじいのはご存知の通り、民謡の題材に事欠かないのは容易に想像できますね〜。その多種多様な民謡に20世紀の西洋音楽の一つの方向である色彩感にあふれる和声付けを行って、素朴な方向にしてみたり技巧を誇示した方向にしてみたり、なかなか素敵な世界なんですよ〜 (`・ω・´)
この「云南民歌五首」は中国南部山岳地帯の雲南省の民謡を題材に、文化大革命以前の1958年に編曲されました。この動画で弾いている第一曲『大理姑娘』は同じ旋律が現代にも伝承されています。大理は雲南省の交通の要衝、その昔に大理石の産地であり、それが漢字表記の「大理石」の語源になっているとのことです。
リードオルガンは足技で空気の送り方をけっこう自由にコントロールできる楽器で、一般的に不協和とされている2度の「ぶつかり」を強めたり弱めたり(こんな安直な表現じゃないんですがネw)して印象的に表現できます。この動画ではそれを活かすために指定のテンポより遅めに弾きました。こんな悪知恵を試してみるのは愉しい愉しい。
100年前の北米のリードオルガンで現代中国のピアノ曲を演奏する必然は全く全然これっぽっちもwございませんが。オリジナル絶対至上主義は偉大な方々wにお任せいたしましょう。どうぞお楽しみくださいませ〜! ヽ( ̄▽ ̄)ノ
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