中島みゆき 作詞/作曲『慕情』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で
中島みゆきの『慕情』をアンティークピアノで弾きました。
『慕情』は、2017年のテレビ朝日系『帯ドラマ劇場・やすらぎの郷』の主題歌。2017年に発売された中島みゆきの2年ぶり通算42枚め(!)のフルオリジナルアルバム『相聞』のラストを飾る曲です。
『やすらぎの郷』は、脚本家の倉本聰が「夜のゴールデンタイムに若者向けのドラマが数多く放送され、大人の観るドラマが少ない」として企画。昭和世代にテレビの世界で活躍した人物だけが入居する老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」を舞台に、“家族の絆”・“友情”・“愛情”・“死”などがテーマ。テレビドラマでありながら現代のテレビのあり方に対する痛烈な皮肉や風刺に満ちていたとのこと、大重鎮たる倉本聰だからこそできたのでしょうね〜(・x・ゞ
<甘えてはいけない 時に情は無い
手離してならぬ筈の何かを 間違えるな>
この一節、普遍的な真実を語っているように思えます。この曲について言われる「人生を振り返りつつ、 改めて人を愛することの大切さを歌った歌詞」に留まらず、テレビという媒体、否、それどころかおよそ人の生き方全てに打ち込まれる一節ではないでしょうか。まぁ自分の生き方を振り返ってみても、刹那的な愉しみや惰性に流されてばかりでめっっっちゃとほほwなのですが、その結果・・・
<振り向く景色はあまりに遠い>
んですよね〜〜〜〜 (´・ω・`)ショボーン
時による淘汰こそが真に残酷で情け容赦がなく、ヤマハのポプコンで賞を獲ったような選ばれしスターたちですら、だれもが中島みゆきのように40年以上もトップを走り続けられるはずもなし。しかし、賞なぞ獲ってもいないごくごく普通の人々の中にこそ<手離してならぬ筈の何か>をつかみ続けている真の「人生の職人」が当たり前のようにひしめいていることは、『地上の星』を例に出すまでもなくみなさんご存知でしょう。個人が残らなくとも継承されてきた「ナニか」こそが、技術であり文化であり伝統でありま〜す。
<地上にある星を誰も覚えていない
人は空ばかり見てる>(『地上の星』2000年)
星の数ほど存在するのが人生で、その圧倒的多数が<手離してならぬ筈の何か>に気づくことがかなわず、<地上にある星>にすらなれずに一生を終えてしまうのかも知れません。まぁしかし、それ自体は確かに嘆かわしいのでしょうが、ご無理ごもっともw。それであっても素敵に輝き得るのは、やはり「人を愛する」ことなのかなぁと。コレ、恋愛に限ったハナシではございませんですね。
<限りない愚かさ 限りない慕情>
人生なんて綺麗事なんかでなく、それぞれが置かれた状況の狭間で悩みもがき傷つき苦しみ葛藤するもの。しかし・・・生きねばならぬ!
<ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ>(『ファイト!』1983年)
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