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2018年1月22日 (月)

中島みゆき 作詞/作曲『霙の音』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

首都圏が大雪のこのタイミングですが、中島みゆきの『霙の音』をいつものウィーン式アクション1894年製ベーゼンドルファーで弾きました。

2015年発売のアルバム『組曲(Suite)』所収のこの曲、まず「みぞれ」を<霙>と漢字で表記しており、この字形と単語のモノモノしさからして、またいつものように「来る」だろうな、と身構えます。ですが、ここで中島みゆきはいつもの「失恋歌の女王」という方向wとは違う方向から主人公を唄っています。それにしても、この微妙すぎるほどの変化に満ちた歌声ときたら、ピアノという楽器でどないせぇっちゅ〜んぢゃ(・o・ゞ

 <聞きたい話じゃないでしょうけど
  好きな人ができたの私 少し前から

まさかの失恋ではなさそうな導入。しかし2番ではやはり「本命」がど〜〜〜〜〜〜しても好き、という「いつもの」主人公に。

 <本気で好きと心を決めてから
  あなたと似た声のせいだと気づいたの

まさかの導入のあとだけに、みな一様にホッとする箇所wではないでしょうか。そして実はつづく3番で、決定的な状況説明がががが。この詩、起承転結の典型例としても秀逸かと(・ω・ゞ

 <私は手札をテーブルの上に
  愚かに顕わに放り出し
  あなたは静かに窓の外を見てる
  静かに誰かを隠してる

この出口も救いもない孤独と絶望感を霙(みぞれ)と重ねあわせ、甘えたような諦めたような声色で淡々と
 <ねぇ 霙って音がするのね
と唄ってのける中島みゆきとは何者ぞ。もはや『霙の音』しか聞こえないではないか。

題名の「霙(みぞれ)」とは、雨でも雪でもない降水現象。しかも季節の変わり目という「はっきりしない」という状況ばかりでなくイレギュラーな状況をも示せる、という実に曖昧模糊とした一語ですね。中島みゆきの詩には「雨」も「雪」も極めて頻繁に登場しますが、この「霙」という<雨とも違う>そして<雪より寒い>という存在を、おそらく初めて2015年のアルバムに投下したのは・・・そっか、2015年は中島みゆきのデビュー40周年なんだなぁ・・・とかなんとか。

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