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2017年11月14日 (火)

中島みゆき 作詞/作曲『休石』ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)で

中島みゆきの『休石』を、いつものウィーン式アクション1894年製ベーゼンドルファーで弾きました。

2015年発売のアルバム「組曲(Suite)」所収のこの曲、いかにも晩秋・・・というような雰囲気の美しくどこか悲しげな曲想、郷愁とか追憶とかがとっても似合う曲ですね。ここで中島みゆきは例のごとく、このような歌詞に見せかけてw強い内容を詩に織り込んでいます(・o・ゞ

 <あなたは痛む足を引き上げ引き上げながら
  登って行った 見えなくなるまで登って行った

 <「もういいよ」 伝えれぱよかった言の葉が散っている
  私は両手に掻き集め 後悔坂を這い登る

 <待ってください 呼ぶ声は切れぎれに
  日の暮れがたに 石段は長い

「あなた」に伝える想いをつづるこの詩、音楽に乗せられて聞き流すのであればラクなのですが、文字で読んでみると慄然とさせられます。中島みゆきの詩の大きな方向性である「相手への届かぬ想い」は、この『休石』の中で何故届かぬのかと言うと・・・主人公にとって「あなた」がもはやこの世にいない存在となってしまったからではないでしょうか。まぁこのように決めてしまうのは中島みゆきの詩の読み方ではないとも思いますが。見えなくなるまで登って行ってしまった「あなた」に、伝えられなかった言葉を掻き集め、後悔の念を積み重ね(「坂」ですね)、決して届かぬ想いを「待ってください」と切れ切れに。

・・・ん〜と、でも、こう考えてみると「あなた」がこの世にいる存在かどうかなんて、関係ない気もしてくるんですけどね〜。実は、これこそが中島みゆきの世界観なのかも。あららら(・x・ゞ

さて、実は中島みゆきの曲には「語り」な部分が多くて、ピアノ弾きとしてはなかなかに難儀なんですわ。なにしろ、「語り」の表現はピアノ的には「16分音符の同音連打」となるワケで、この同音連打ちぅシロモノ、そもそもが鍵盤楽器にとってかなり難しいテクニック。

この『休石』で通常の指を替える同音連打をしてしまってはカツカツな超〜ピアニスティック打撃になってしまって、「あなた」に向けて届かぬ想いを切々と綴る曲調になろうハズもなく、基本的に一本指連打で弾いています。コレ、腕や手首が固まっているかどうかのチェックにもなりますので、どうぞお楽しみ、いや、お試しくださいましね〜(・ω・ゞ

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