ガルッピの生誕祭によせて『ソナタ ハ短調』を、クリストフォリ式の初期イタリア風フォルテピアノで
今日(10/18)は、イタリアの作曲家:ガルッピ(1706-1785)の誕生日ですよ〜。
ピアノに相当する楽器が歴史上記録に残っているのは1700年のフィレンツェ、メディチ家の楽器所蔵目録で、それならばピアノの誕生は少なくともこれより少し前、というのが通常の理解でしょう。それなのに、いまだに「ピアノの誕生は1709年」という記述がそこら中でまかり通っている現状には呆れるほかございませんが、もはや仕方ないかなぁ・・・と(・x・ゞ
ガルッピのソナタはミケランジェリが現代ピアノを弾いた素晴らしい録音がございますが、この時代の特にイタリアの鍵盤楽曲はこれほどの名手が弾かないとなかなか「それっぽく」ならないです。現代のピアノで弾くとどうしても大げさな雰囲気になりやすく、大げさにならないように注意したところでただ弱いだけの演奏に。そしてチェンバロで弾くと、現代ピアノを知っている我々にとって満足できるような細かな強弱表現が難しいため、どうしても物足りない印象になってしまいます。
この動画で使っている「クリストフォリ式の初期イタリア風フォルテピアノ」にはモデルとして特定の楽器があるワケではなく、ピアノの発明者とされている伊太利亜のクリストフォリによる1726年製の楽器(現:ライプツィヒ大学所蔵)にもとづくアクションを搭載して、自由な発想のもとにチェンバロ製作の久保田彰氏が2006年に製作した楽器です。
1700年ごろ、実はピアノの誕生を目指す萌芽がヨーロッパのあちこちで見られ、やはり音楽もピアノというまだ見ぬ楽器をあたかも念頭に置いているかのような方向に変わり始める兆しがあります。ガルッピの鍵盤楽曲は、まさにこの時代ど真ん中の中途半端とも評価されてしまいそうな存在ですが、このようなクリストフォリタイプの初期フォルテピアノで弾くと、その独特な魅力が「腑に落ちる」感覚があります。
Soundcloud にも音声をアップしましたです(・o・ゞ
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