ヤナーチェクの命日によせて、『草かげの小径にて 第一集』から、第10曲「ふくろうは飛び去らなかった」
本日(8/12)は、チェコ(モラヴィア)の作曲家、ヤナーチェク(1854-1928)の命日ですよ〜。
2016年1月31日、高崎のアトリエミストラルで行った『森と音楽の国 チェコからの贈りもの 〜ペトロフ アップライトピアノの豊かな響き〜』ライヴ録画から、ヤナーチェクの珠玉の小品集『草かげの小径にて 第一集』から、第10曲「ふくろうは飛び去らなかった」です。
モラヴィアには<ふくろうは瀕死の人の家のそばに来て、飛び去らない>という言い伝えがあります。
ヤナーチェクが『草かげの小径にて』に取り組み始めてほどなく一人娘のオルガが助からぬ病に侵されていることを知り、曲想もまた暗く沈み込むような方向に変わって行きます。それが第4曲の『フリーデクの聖母マリア』あたりから、という解釈が支配的であるようですが、確かに納得できます。第10曲はこの曲集の最後の曲であり、モラヴィアの死の象徴である「ふくろう」と助からぬ娘オルガの存在とを結びつけるのは自然な解釈でしょう。なお、ふくろうはモラヴィア以外でも死の象徴とされているフシがありますが、ふくろうには申し訳ないですが・・・さもありなん(・x・ゞ
クラシック音楽の世界でアップライトピアノの特性を積極的に使おう、という方向は一顧だにされていませんが、なんでもかんでも超有名メーカーのフルコンサートグランドピアノばかりがもてはやされる、という風潮には大いに疑問を持っています。
もちっと音楽自体の多様性に即した楽器選びができるような環境、そうしたいと切望する演奏者、そしてそのような音楽が聴きたいと願う聴衆が整うとすんごく愉しいだろうなぁ・・・と思ってのアップライトピアノ演奏会でした。大艦巨砲主義はとっくに終わりを告げてますぞ(・o・ゞ
ヤナーチェク(1854-1928)
『草かげの小径にて 第一集』より、第10曲「ふくろうは飛び去らなかった」
2016.1.31. 高崎、アトリエミストラル
2014年製 ペトロフ P118D1アップライトピアノ:筒井 一貴
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