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2016年6月26日 (日)

6月25日/オーディオ・アンド・カフェ『新空間』コンサートから、ガルッピのソナタ

2016年6月25日、埼玉県は蓮田の オーディオ ギャラリー Café「新空間」にて、最初期のスタイルによるピアノの演奏会を行う機会に恵まれました。

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現代の「ピアノ」に相当する楽器が歴史上記録に残っているのは1700年のフィレンツェはメディチ家の楽器所蔵目録が最古で、それならばピアノの誕生は少なくともこれより少し前、というのが通常の理解でしょう。それなのに、いまだに「ピアノの誕生は1709年」という記述がそこら中でコピペされてそれが堂々とまかり通っている現状には呆れるほかございませんが、もはや仕方ないかなぁ・・・と(・x・ゞ

この動画で使っているフォルテピアノは特定の楽器をモデルとした楽器ではなく、ピアノの発明者とされている伊太利亜のクリストフォリによる1726年製の楽器(現:ライプツィヒ大学所蔵)にもとづくアクションを搭載して、自由な発想のもとにチェンバロ製作の久保田彰氏が2006年に製作した楽器です。言うなれば「クリストフォリ式の初期イタリア風フォルテピアノ」という表現が無難でしょう。このフォルテピアノは音域 GG-e''' の5オクターヴ弱、クリストフォリによる1726年製の楽器同様にウナ・コルダ機構を備えてダンパーペダルは無い、という楽器です。

ガルッピのソナタはミケランジェリが現代ピアノを弾いた素晴らしい録音がございますが、この時代の特にイタリアの鍵盤楽曲はこれほどの名手が弾かないとなかなか「それっぽく」ならないです。現代のピアノで弾くとどうしても大げさな雰囲気になりやすく、そこに注意してもただ弱いだけの演奏に。そしてチェンバロで弾くと、現代ピアノを知っている我々にとって満足できるような細かな強弱表現が難しいためにどうしても物足りない印象になってしまいます。

1700年ごろ、実はピアノの誕生を目指す萌芽がヨーロッパのあちこちで見られ、やはり音楽もピアノというまだ見ぬ楽器をあたかも念頭に置いているかのような方向に変わり始める兆しがあります。ガルッピの鍵盤楽曲はまさにこの時代ど真ん中のため、ともすれば中途半端とも評価されてしまいそうな存在ですが、このようなクリストフォリタイプの初期フォルテピアノで弾くとその独特な魅力が「腑に落ちる」感覚があります。

ガルッピ(1807-18)ソナタ ハ短調から、第1楽章
2016.6.25. 蓮田、オーディオ ギャラリー Café「新空間」
 クリストフォリ式初期イタリア風フォルテピアノ(製作:久保田彰)筒井 一貴


Soundcloud にも音声をアップしましたです(・o・ゞ

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