新生釜石教会の津波被災ピアノ修復@さいたまピアノ工房
本日(5/27)、久々に さいたまピアノ工房 / Saitama Piano Atelier に出向いてきました。
さいたまピアノ工房は、5年前の東日本大震災の津波で被災した釜石市の 日本基督教団新生釜石教会 のグランドピアノの修理を引き受け、明日(5/28)が釜石に向けた発送の日。そのピアノを工房で最初に音出しをして欲しい・・・と言われて断る理由はどこにもございません (`・ω・´)シャキーン
このピアノが置かれていた礼拝堂は津波に襲われ1階天井まで浸水、泥の中にひっくり返っていたピアノを牧師はじめ皆で助け起こし、一部の音が出ないまま支援者や市民たちが奏でていたとのこと。
釜石復興の象徴として、そして震災の記憶を残すためにこのピアノの修復を決めたのは、ようやく昨年(2015年)夏。修復するかどうかの意見が割れたのは無理もないこと、しかし「捨てたら取り返しがつかない」と修復を決めたのでした。
圧倒的な現実の前には音楽の力は小さく弱い・・・かのように思えますが、一部の音が出ないままでも、このピアノは被災者たちのカラオケ大会に用いられ、飲兵衛横丁のママさんと一緒に「与作」を奏でた! という現実も同時に存在します。
人間にとっては、「生き物として生存せねばならぬ」という方向と「人間らしく生きねば」という方向と、おそらくは両面を兼ね備えていることこそが必要なのではないでしょうか。・・・この両者に優先順位をつけざるを得ないことは頻繁にあるにせよ。
このピアノの修復記念コンサートは新生釜石教会にて6月5日。なんと自分が高崎で行う サティが生きたパリの音・・・オリジナル楽器で生誕150年のサティを とマトモにバッティングしている・・・というまさかのオチが(・o・ゞ
木材と金属などが渾然一体となっているものがピアノという「楽器」であるということ、そしてそのような楽器が海水に浸かってしまったときにどのようなことになってしまうのか・・・しかもその状態のピアノを修復するためには無数の調査と判断と決断に基づいた実作業(!)が伴うわけで、 さいたまピアノ工房のひたむきさにただひたすら感服するのみです。
さいたまピアノ工房のブログ、このピアノの修復過程の記事一覧を是非ともご覧になってくださいませ!
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