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2015年12月 5日 (土)

柔軟性? 独立性?

自分にとって極めてしっくり来るのは、ベタではありますが、実はショパンの音楽の方向だったりします。ただ、ショパンは存命当時でさえも大多数に誤解されていたわけで、当然ながら現代のショパン演奏も存命当時の資料から浮かび上がってくる方向と異なっていることが少なくありません。
このトピック、かなり言い古されたトピックなのでワタクシごときが主張するまでもないなぁ・・・とも思いますが、当時の証言をネタにして自分なりの怪釈を開陳しようと思います。
しばらく連載していても突如として不定期ときどきのアップになってしまうかと思いますが、コレ、ワタクシの性格なので、ご勘弁くださいませ〜m(._.)m

◇習い始めのレッスンでショパンが最も心をくだくのは、弟子の手が硬くなったり、ひきつったり、痙攣したりしないで自由な動きが得られるようにすることであった。そして手を柔軟に 〜これが美しい演奏の第一条件である〜 し、個々の指に独立した動きを与えることであった。

→楽器演奏に限らず動物の行動は筋肉運動であり、どこかが上手くいってないとどこかしらかが「凝ってしまう」わけです。その状態ではイイ感じで身体を動かせないのは当然で、ショパンはごく当たり前の指摘を最も大切なこととしていた・・・という解釈になろうかと思います。そして加齢によって柔軟性や回復力が落ちるのは当然で、若い頃になんとか大丈夫だったとしてもある年齢から楽器が弾けなくなるリスクが急激に高まることとなります。その年齢を少しでも遅くするために、無理の無い身体の使い方は大切だと言えます。

習い事の常として、間違えないように! と教える方も習う方も強調してしまうことが多いです(実際、こうする方が双方にとって楽だったりしますね)が、こと楽譜に書いてあることを演奏するのが基本であるクラシック音楽の場合、ただひたすらに「書いてある音符と違う音を出してはならない」と自分を追い込むあまりに心も身体も硬くなってしまいやすいのです。「違う音を出さない」という目的を表面的に達成しようとすると、音楽の流れに対する意識にフタをしてとにかく身体を固めて正しい鍵盤に指を持って行くことが意外と有効で、その結果ぎくしゃくした音ばかりが並ぶことになります。しかも、音楽の流れにフタをした状態で楽器を弾いているので、本人にはその不自然さに気づくチャンスがありません。

ただし、力を抜いてさえいれば美しい演奏ができる、というほど甘い世界でないのもまた事実です。柔軟であること=脱力していること、という理解はまぁ誤りではありませんが、あまりにも一面的です。筋肉運動とは必要な力まで抜いてしまっては何もできないもので、より的確には『必要なところ以外は弛緩している=動いてないように見える』、そしてさらに正確には『必要な筋肉を理解してその筋肉だけを使う=筋肉の選択的利用』と言えます。すなはち、静かに見える柔軟性を会得できなければ独立した運動は不可能です。力が入って固まっている状態でむやみにクネクネ動かしても無意味、かつ、脱力している自己暗示ですから害悪です。

筋肉の選択的利用を行うとは、「とにかくより強く」「とにかくより速く」「とにかくより高く」という単純な目的ではない筋肉の使い方です(本当の超一流はこの目的でも非常に細やかで精密な稽古を行います)から、極めて知的で地味なアプローチが要求されます。達人になればなるほど、一見全く動いていないのに全てを滑らかに安定してやってのけますので、観察して盗もうとしても、観察側の能力が低いと全く盗めません。結局は、自分自身で発見できるような実力を養う以外に王道はないのでした(・o・ゞ

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