「古典鍵盤楽器徒然草 壱 〜手動ダンパー装置の可能性〜」ライヴ録画/ハイドン:ソナタ Hob.XVI/20 第2楽章
2014年11月20日「古典鍵盤楽器徒然草 壱 〜手動ダンパー装置の可能性〜」のライヴ録画です。ハイドンのソナタ Hob.XVI/20(1771年)第2楽章、ルイ・デュルケン(一時期シュタイン製と見做されていた)1790年モデルのピアノでダンパー全開放&バックチェック取り外しで弾きました。18世紀中ごろには手動ダンパー&バックチェック無しのピアノは珍しくなく、このような演奏の可能性は無視するべからず、という主張をこめた演奏会でした。
・・・現代ピアノ人の一般的感性からすると右ペダル踏みっぱなしでは音楽になる<はずがない>でしょうが、18世紀のピアノには手動ダンパー装置のものが全く珍しくなかった、という史実は現代人の感覚とは無関係に厳然と存在します。このようなピアノでは、ダンパーを「下げっぱなし=現代ピアノの右ペダルを踏まない状態!」にするか「上げっぱなし=現代ピアノの右ペダルを踏みっぱなしにする状態!」にするか、の奏法以外は原理的に不可能です。
実は、右ペダルを踏みっぱなしにした状態でのいわば「音が響き倒すw感覚」を知ることは「響きを感じ取る耳」を強制的に養うことに他ならず、ごく一部の古楽器マニアだけの感覚にしておくのはもったいないかも知れません (`・ω・´)シャキーン
・・・なにしろ、欧羅巴の教会では残響4〜5秒なんて当たり前(もちろん短いところもありますが)。音楽家に限らず、皆がそういうところに毎週日曜に礼拝に行ってオルガンが「響き倒す」状況を体感している人種の音楽がいわゆる<クラシック音楽>であること、基本的に音が響かない環境にいる日本人に対してもっと強調されてしかるべきではないでしょうか(・o・ゞ
自分の観察では「音が響く」という現象は「大きな音がする」という理解をされることが多い気がしてならないのですが、そんなに単純な理解では全く追いつかないことも強調したいところでありま〜す。
そして、バックチェックというハンマーのアバれ防止装置も安定した演奏のためには不可欠と思われていますが、18世紀のピアノにはバックチェック無しのものも珍しくなかった、という史実も現代人の感覚と無関係に厳然と存在します。このようなピアノでは非っ常〜にコントロールが難しいのですが、音の美しさや滑らかな表現の可能性など、見返りに得られるものはかなり素晴らしいものである気がします。
Joseph Haydn (1732-1809) - Sonata Hob.XVI/20(1771) in c minor, 2mov.
played on a copy of Louis Dulcken piano (damper completely off)
recorded live on 20 Nov. 2014 at the Room1925 of JIYU GAKUEN MYONICHIKAN, Tokyo, JAPAN
I played this copy of Louis Dulcken piano without damper change.
The hand-damping mechanism is not so uncommon in the 18th century but it becomes very unusual now, of course.
Playing with long free-damper in hand-registered damping manner is very
interesting for every keyboard players, not only for early music manias.
It forces us to have better sense of ears !
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