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カテゴリー「音楽>作曲家>Marcello」の1件の記事

2015年4月25日 (土)

クリストフォリ1726年製ピアノの複製楽器による演奏動画/ベネデット・マルチェルロ:ソナタ イ短調より、プレスト

最初期のピアノで弾いた、ピアノ(=ハンマーで弦を叩いて発音する鍵盤楽器)が発明された頃にその周辺で作曲されたとされている曲をご紹介します。2001年に録ってもらったminiDVからの資料ですが、意外と音がマトモに録れており、恥ずかしながら公開を決意しました (`・ω・´)キリッ

2001年4月1日、帯広の相原求一朗デッサン館で行った「最古のピアノコンサート」のライヴ録画です。

ベネデット・マルチェッロ(1686-1739):ソナタ イ短調より、プレスト
Benedetto Marcello(1686-1739) Presto from SONATA in a minor played on a copy of Cristofori Piano (Nobuo Yamamoto 1999) based on the 1726 model (Leipzig)

ピアノは伊太利亜のCristoforiによって1700年少し前あたりに発明されたということになっていますが、この時期ヨーロッパでは打弦式鍵盤楽器の萌芽が複数生じていた形跡があります。
そのうち現存していて最も洗練されているものがCristoforiの手による3台(1720年、1722年、1726年)ですが、これら3台それぞれにさまざまなアイディアが盛り込まれており、単純に最古の個体に価値を見いだすのか最後の個体を最終形態として価値を見いだすのかは結論が出ませんし、そもそもこの<真の天才による偉大な発明>を現代人ごときが云々するのは意味のないことです。

ただし、ニューヨークのメトロポリタン博物館の所蔵で「現存する最古のピアノ」とされている1720年製のクリストフォリのピアノは後年に音域を高く変更する、という大改造がされていることは知っておくべきです。これに伴ってピアノの音質に重大な影響を及ぼす打弦点がクリストフォリオリジナルと異なる位置に変えられており、残念ながらもはやこの1720年製のクリストフォリピアノの音色の資料的価値は非常に乏しい・・・と言わざるを得ないのではないでしょうか。それに加えて、1938年に著名な音楽学者のクルト・ザックスの主導の下に響板とそれに付随する数多くのオリジナルの部品が交換されてしまった、という取り返しのつかない損害を被ってしまっています。

これに対して、大阪は堺のフォルテピアノ修復家の山本宣夫氏が1999年に完成させた、Cristofori晩年1726年製の楽器(現Leipzig大学所蔵)の複製は、最初期のピアノがまだまだ未熟な初歩楽器だった・・・という先入観を払拭してあまりある素晴らしい楽器で、この時代の(特に伊太利亜の)鍵盤楽器音楽の方向をまさしく指し示していた奇跡でありました。

この時代の伊太利亜の鍵盤楽器音楽については、ピアニストはおろか古楽器の演奏家ですら今ひとつパッとしない、という印象を持っているようですが、Cristoforiのピアノで演奏してみるとその香り立つ魅力に陶然となることもしばしばです。これは「時代の必然」と言っても差し支えなさそうな、楽曲と楽器とのベストマッチングでありましょう!

ベネデット・マルチェッロ Benedetto Marcello(1686-1739)の兄であるアレッサンドロ・マルチェッロ Alessandro Marcello(1669-1747)が、現在ローマの博物館に所蔵されている1722年製のクリストフォリピアノのかつての所有者であった・・・とされており、ベネデットもクリストフォリのピアノを体験したと考えて差し支えないでしょう。

補)1722年製のクリストフォリピアノについては、このコピー楽器が非常に優秀と思われます。どうぞご一読あれ!(英語ですが)
http://www.arpicimbalo.com/about_the_instrument.php


作曲当時の創造力の源泉たる楽器に対する興味(ワクワク感とも言えますネ)無くして、いわゆる「クラシック音楽」と称する音楽の理解は浅くならざるを得ません。どうぞ、楽器も曲も存分にお楽しみくださりますように。

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